【5年間で約2300件】トヨタも車両火災に注意喚起! 多くはライト類交換時の取付方法に問題か
トヨタでは2010年5月から取り扱い説明書で注意喚起
このように、車両火災を引き起こす原因として社外品パーツの取り付け不良が指摘されていることが分かりましたが、自動車メーカーでも取扱説明書を通じて注意喚起をおこなってきました。
プリウスの取説の記述を確認してみたところ、初めて「発火」への注意喚起がだされていたのは2010年5月からです。
説明書では、「電球を交換するとき:電球や電球を固定するための部品はしっかり取り付けてください。取り付けが不十分な場合発熱や発火、もしくはヘッドライト内部への浸水による故障や、レンズ内に曇りが発生することがあります」と記載さています。
また注意事項として、「お車の故障や火災を防ぐために、電球が正しい位置にしっかりと取り付けられていることを確認してください」とも記されていました。
交換について、トヨタ広報は次のように説明しています。
「お客さまがかならず手にする取り扱い説明書の電球交換のページに、『電球はご自身で交換できます。電球交換の難易度は電球によって異なります。部品が破損するおそれがあるので、トヨタ販売店で交換することをおすすめします』と書いてあります。
お客さまが交換できる電球は、フロント方向指示灯、非常点滅灯、リア方向指示灯、非常点滅灯、後退灯だけです。
直接の注意喚起ではございませんが、トヨタ販売店での交換をお願いしております」
自動車メーカーだけではなく、自治体が警告を発しているケースもあります。千葉県船橋市役所消防局予防課は「車両バルブ取扱不注意による火災を防ぎましょう!」というタイトルで注意喚起をおこなっています。(2021年5月11日更新)
車両火災について、船橋市役所消防局予防課は次のように話しています。
「原因を調査したところ車両本体やバルブそのものに不備があったわけではなく、社外品バルブの取り付け方が悪く、使用中に脱落したことが火災につながったと考えられています。
バルブの製造会社には製品の説明書などに注意喚起の一文を入れてくださるようお願いしました」
また、取り付け不備のほかに、そもそも後付けパーツによってはソケットのサイズや各部のサイズが純正品と異なる場合があります。
サイズなどが合わないにも関わらず無理に取り付けると、ソケットが割れたりバルブが外れたりして、リフレクタやヘッドランプの周囲のハーネスや樹脂部品などに接触して発煙・発火する危険性があります。
火災のほかにも、近年は社外品LEDが安価で入手できることから、ヘッドライトバルブをLEDに交換したり、電飾カスタムとして装着したりするクルマも増えています。
眩しすぎるライトは他車にとっては危険な場合も多々あります。取り付け不備でトラブルを引き起こさないことはもちろん、ほかの交通への迷惑を考えたカスタムをおこなうことが大切だといえます。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。