3人乗り「F1」で同乗走行!? ひと味違うイタリアのサーキットイベントとは

日本よりもひと足先に日常生活が戻りつつあるイタリアで、サーキットイベントが開催されました。F1ファンには懐かしい「ミナルディ」が毎年開催している「ヒストリック ミナルディ デイ」で盛り上がるイモラサーキットを、VAGUE現地特派員が取材してきました。

ファンに愛された「ミナルディ」のイベントが開催

Writer:野口祐子(NOGUCHI Yuko)
Photographer:Historic Minardi Day

 2021年8月の最終週の28(土)29(日)、イモラサーキット(Autodromo Enzo e Dino Ferrari)で「Historic Minardi Day(ヒストリック ミナルディ デイ)」がおこなわれた。

 開催前日の27日に続々とイモラサーキットにレーシングカーを積んだトレーラーが到着。コロナ感染防止対策のため数々のイベントが中止になり、久しぶりの走行ということで「走り屋」たちが張り切ってイモラにやって来た。

ミナルディ「M194」、現役時代はグッドイヤータイヤだったが、イヴェントではエイボンタイヤを使用。一般の人気投票で3位に
ミナルディ「M194」、現役時代はグッドイヤータイヤだったが、イヴェントではエイボンタイヤを使用。一般の人気投票で3位に

●片山右京や中野信治も在籍したチーム

 ミナルディというと1980年代から2005年にかけF1で活躍したイタリアの弱小チームである。弱小だけれども他のチームと勇敢に戦っていた姿が世界中のファンの心をくすぐり、ミナルディは成績に関係なく、多くのファンから愛されたチームであった。

 2005年以降はレッドブルに売却され、翌2006年にはスクーデリア・トロ・ロッソとして活躍、現在はスクーデリア・アルファタウリとなってホンダエンジンを搭載し、大躍進。その根源はファエンツァで誕生した弱小チームミナルディなのである。

 ミナルディから巣立っていった、F1界並びにモータースポーツ界で名を馳せたドライバーは数知れない。

 ミケーレ・アルボレート、フェルナンド・アロンソ、ルカ・バドエル、アンドレア・デ・チェーザリス、パオロ・バリッラ、ジャンカルロ・フィジケッラ、クリスチャン・フィッティパルディ、片山右京、ピエル・ルイジ・マルティーニ、ジャンニ・モルビデッリ、中野信治、アレッサンドロ・ナンニーニ、ヤーノ・トゥルッリ、ヨス・フェルスタッペン、アレッサンドロ・ザナルディなどである。

 そのドライバー達が、F1界の親として尊敬するジャンカルロ・ミナルディが主催するヒストリック ミナルディ デイに集まった。勿論その時には共に活躍したエンジニア、メカニック、そしてその家族も一緒に訪れる。彼らにとってヒストリック ミナルディ デイは、今やドライバーの年中行事となり「ミナルディ・ファミリー」の大同窓会になっている。

前夜祭の会場で壇上に上がったリカルド・パトレーゼ、ロレンツォ親子とヤルノ・トゥルッリ、エンツォ親子
前夜祭の会場で壇上に上がったリカルド・パトレーゼ、ロレンツォ親子とヤルノ・トゥルッリ、エンツォ親子

 2016年から始まったヒストリック ミナルディ デイは、今年2021年で第5回目を迎えた。

 昨年はコロナ感染防止対策のために中止、そして今年も開催が危ぶまれたが、ジャンカルロ・ミナルディ、そしてそのスタッフの強い意思によって開催に至った。

 金曜日の前夜祭は関係者350人が集まり、パーティがおこなわれた。そこでは懐かしい往年のドライバーが壇上に招かれ、当時のエピソードを語った。モータースポーツを愛する人たちは、パーティのメインイベントでもある「知られざる数々のエピソード」を毎回楽しみにしている。

 壇上には、ジャンカルロ・ミナルディを筆頭にアレッサンドロ・ナンニーニ、ピエル・ルイジ・マルティーニ、アレッサンドロ・カッフィ、ニコラ・ラリーニ、エマヌエレ・ピロ、ジャンニ・ジューディチ、最高年齢86歳のカルロ・ファチェッティ。そしてリッカルド・パトレーゼは現在F4で大活躍している15歳の息子ロレンツォと、ヤーノ・トゥルッリはF4、フォーミュラ ヨーロッパで大活躍をしている15歳の息子エンツォと共に壇上に上がった。

 そこにメルセデス・ジュニア・ドライバーに選ばれた15歳のアンドレア・キミ・アントネッリも登場し、壇上は一気に若がえった。往年のドライバーとこれからのモータースポーツの世界を担っていく若いドライバー揃っての紹介はこれからのモータースポーツへの希望と繋がった。

入り口ではグリーンパスの提示、もしくは抗原検査ネガティブの結果表示
入り口ではグリーンパスの提示、もしくは抗原検査ネガティブの結果表示

 さて、ヒストリック ミナルディ デイの初日は生憎の雨。午前中はかなり雨脚が強く、その日の走行に不安がよぎったが、正午過ぎた頃には太陽も顔を出し、雨上がりの爽やかな天気のなかでの走行となった。

 今回の開催に関しては、入場者はグリーンパス(ワクチン接種証明)提示、もしくは抗原検査の陰性の提示という人数制限がおこなわれた。料金は1日入場券16ユーロ、2日通しの入場券は25ユーロ。抗原検査を忘れた人のために検査会場も用意されていた。

 入場窓口ではひとりひとり、グリーンパス・PCR検査の提示をしなくてはならないので長蛇の列となった。それでも忍耐強く入場の列に並ぶ入場者。参加者同様、観客もヒストリックのモータースポーツ観戦を待ち望んでいたのだろう。

【画像】イモラサーキットに集まったF1とは?(54枚)

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