エレガントな大人セダンがさらに進化! レクサス新型「ES」の乗り心地刷新! カメラミラーも視認性向上へ
デジタルアウターミラーの視認性が向上? どう変わった?
さらにブレーキはコントロール性向上(電子制御ブレーキの制御定数変更)や操作性向上(ペダルパッド形状変更)、ペダル剛性感アップ(リンク構成内のブッシュ取り付け方法の見直し)などがおこなわれていますが、実はあまり印象に残らず。
ただ、これはネガな話ではなく、「違和感なく自然に操作できた」ということの証明でもあります。
ちなみにESの特徴的なアイテムのひとつ「デジタルアウターミラー」も進化を遂げ、明暗が混在する場所での視認性が改善されています。
今回、夜間走行はおこなえなかったものの、トンネルでの走行では従来モデルよりノイズの少なさや後続車のライトのチラつきが減っていることを確認。
通常のミラーとまったく同じとはいえませんが、現在発売中のデジタルミラー装着車のなかではもっとも実用性は高いと思っています。ただ、取って付けた感のあるディスプレイ部の変更は今回はなしです。
さらに予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」も2.5世代へと進化しています。プリクラッシュブレーキの対応領域拡大は体感できませんが、レーントレーシングアシスト(LTA)はよりスムーズで途切れにくい操舵支援であることを実感。
ただ、多くの人が使うレーダークルーズコントロールの制御は減速時のGがやや強めな印象で、もう少し滑らかさが欲しいなと思いました。
ESは、ほかのレクサスモデルと比べると控えめなキャラクターで、「内に秘めた」実力を備えたモデルだと筆者は認識していますが、今回のマイナーチェンジで少しだけ“主張”が強くなったように感じました。ただ、良くも悪くも“想定内”な進化であったことも事実です。
間もなく2代目「NX」が登場しますが、このモデルからレクサスは次世代に進みます。
そう考えると、直前にマイナーチェンジされたESにはそれに繋がるような「プラスα」が欲しかったです。
プレミアムブランドはクルマの良し悪しだけでなくメッセージ性も重要です。
そう思うと、「設計年次が違うから」をいい訳にしてはダメだと思っています。
最後に少々厳しい話になってしまいましたが、日本で希少な「正統派セダン」のなかでは、完成度の高い1台であることは間違いないです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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