安全性だけでなくコスパの高さにも注目!スバルの安全運転支援システム「アイサイト」を徹底解説

衝突被害軽減ブレーキも進化!その安価さにも注目

 最も大切な衝突被害軽減ブレーキも進化しています。人身事故の発生件数を見ると、50%以上が交差点内で生じているので、アイサイトも対応を行っています。

安全性の進化だけでなくその安価さにも注目のアイサイト
安全性の進化だけでなくその安価さにも注目のアイサイト

 自車が交差点に進入する時は、前側方プリクラッシュブレーキが作動して、出合い頭の衝突事故を防ぎます。右左折する時も、直進してくる対向車、自転車、歩行者などに対応して衝突被害軽減ブレーキを作動させます。

 また緊急時プリクラッシュステアリングも備わり、衝突被害軽減ブレーキだけでは衝突回避が困難な場合、ステアリングも制御して回避操作を支援します。この時にはステレオカメラや後側方レーダーの情報により、対向車線へハミ出さずに回避できるか、後ろの側方に接近してくる車両がないか、といったことも総合的に判断してステアリングを制御します。

 以上のようにアイサイトは、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能ともに先進的。新型フォレスターには、ハンズオフ機能を備えるアイサイトXは設定されていませんが、2021年8月のマイナーチェンジモデルでは、ステレオカメラの視野角度を拡大するなど改善を加えた「新世代アイサイト」が採用されています。

 このようにアイサイトは常に進化を重ねており、特にフルモデルチェンジを行うと、レヴォーグやレガシィアウトバックのように機能を大幅に刷新させます。

 またアイサイトは、価格が割安なことにも注目です。インプレッサ1.6i-Lアイサイトは、文字通りアイサイトを標準装着していながら価格は200万2000円とリーズナブル。進化した衝突被害軽減ブレーキを採用するミドルサイズカーとしては、かなり安く抑えられています。

 レヴォーグGT-EXは、アイサイトX、11.6インチセンターディスプレイ、コネクティッドサービスなどをセットにして348万7000円。レヴォーグGTに比べると38万5000円ほど高くなります。そしてレヴォーグGTでは、11.6インチセンターディスプレイやコネクティドサービスなど、GT-EHに採用されるアイサイトX以外の装備をセットオプションとして27万5000円で装着できます。

 そうなるとアイサイトXの単価は、GT-EHとGTの価格差(38万5000円)から、セットオプション価格(27万5000円)を差し引いた11万円。アイサイトXはアイサイトに上乗せされる付加機能ですが、前述の通りハンズオフアシスト、カーブや料金所の手前で減速する機能などが備わるため、単価が11万円であれば割安といえます。

※ ※ ※

 安全装備が交通事故の防止に役立つには、装着車が大量に売られ、ドライバーの運転ミスを現実に防がないといけません。そのためには優れた機能を備えながら、価格を割安に抑える必要もあります。そこまでを含めてアイサイトが生み出す安全性は注目されているのです。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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