ホンダが「インテグラ」復活を宣言! 初VTECの「かっこインテグラ」を振り返る

ホンダ「インテグラ」の歴史は、前身となった「クイント」を含めても26年余りと、ホンダの人気車種にしては意外に短いものです。しかし、26年間で残した功績は決して小さくはありません。なかでも2代目はインテグラを国産屈指のスペシャリティカーへ引き上げ、3代目以降に多大な影響を与えたモデルでした。

復活するだけの価値と話題性を持つ稀代の名車

 ホンダは2022年に「インテグラ」がアキュラブランドとして復活することを宣言しました。しかし、車名以外にかつてのインテグラを想起させる要素が盛り込まれる可能性は、極めて低いといわざるを得ません。

初のVTECエンジンを搭載してセンセーショナルなデビューを飾った「インテグラ」
初のVTECエンジンを搭載してセンセーショナルなデビューを飾った「インテグラ」

 インテグラが絶版となって15年の間に自動車を取り巻く環境が大きく変わったことを鑑みれば、新型が「別物」になるのは当然ではないでしょうか。

 そもそもインテグラが国内の自動車市場に大きな足跡を残したのは1980年代から1990年代で、今とはユーザーの生活スタイルや価値観がまるで異なります。しかも当時の市場には、ユーザーの物欲を刺激する要素を多分に持ち合わせたモデルが、今よりも多く存在しました。

 決して安い買い物ではないのに、若者ですら多少の無理をしてでもクルマを所有することに躊躇いがなかった時代です。

 そうした時代のなかでインテグラは、「アコード」と「シビック」の中間的な位置づけとして、両方のよさを持ち合わせたクルマとして高い評価を獲得。ひとクラス上の高価なスペシャリティカーと並んでも遜色のない質感と性能を持ち、それでいて庶民的で手にしやすい価格(2代目のエントリーグレードで119.5万円)だったこともヒットした要因のひとつでした。

 2代目インテグラは、初代にあたる「クイント インテグラ」の後を受け1989年4月に発売されました。当時、すでにクイントよりもインテグラのほうが周知されていたことから、この2代目からは車名のクイントをなくしてインテグラとして登場。

 さらにボディタイプも整理され、初代でラインナップしていた5ドアを廃止し、2代目では3ドアクーペと4ドアハードトップの2タイプが設定されました。

 ボディサイズは3ドアクーペが全長4390mm×全幅1695mm×全高1325mm、ホイールベース2550mmで、4ドアハードドップセダンは全長4480mm×全幅1695mm×全高1340mm、ホイールベースが2600mmでした。いずれもサッシュレスドアや大型三次曲面ガラス、スリムピラーの採用によってロー&ワイドのウエッジシェイプフォルムに仕上げられていました。

 初代も「プレリュード」や「レジェンド」といった上級モデルを彷彿とさせるスタイリッシュなクルマでしたが、2代目はスポーツ路線が強調された印象で、“インテグラ=スポーティ”というイメージを構築することに大きく貢献したといえるでしょう。

 エンジンは3タイプを設定。いずれも排気量は1.6リッターですが、ZX/RXは105馬力/13.8kg-mを発生するデュアルキャブレター仕様を搭載。ZXi/RXi/TXiは電子制御燃料噴射システムのPGM-FI仕様となり、こちらは120馬力/14.5kg-mを発生。そして、最上級グレードのXSi/RSiには、ホンダ独創の技術を備えた初のVTECエンジンが搭載されていました。

 2代目インテグラは、“全域爽快な走り”を標榜していましたが、それを実現するキーテクノロジーが、可変バルブタイミングリフト機構を採用したVTECエンジンです。

 VTECエンジンについて当時の資料を見ると、「通常のDOHCエンジンに対し、吸・排気側それぞれにもうひとつのカムとロッカーアームを備えているのが大きな特徴で、吸気側3個、排気側3個のカム駒にそれぞれ異なるプロフィールを持たせ、中央を高速用カム、両脇を低速用カムとして設定。この2種類のカムは、エンジン回転速度・エンジン負荷・車速などをECUでセンシングして刻々の運転状況に応じて油圧ピストンを作動させ、瞬時に高速時と低速時、それぞれに最適なバルブタイミングとリフト量を切り換える」とあります。

 現在では資料のなかで搭載エンジンの機構について、これほど紙幅を割くクルマはほとんど見かけなくなりました。それほどVTECは、当時のインテグラとホンダにとっては、強くアピールしたいメカニズムだったことがうかがえます。

 この画期的な機構によって、自然吸気ながら1.6リッターの排気量で最高出力160馬力という驚異的な出力を達成。リッターあたり100馬力を実現しながら、低・中速域でのトルク特性を犠牲にせず、8000回転まで一気に吹け上がっていくパフォーマンスによって、あらためてVTECの有効性と凄さを知らしめました。

 VTECを採用した「B16A型」エンジンは構成する部品にも徹底してこだわっており、レーシングエンジンのような超精密鏡面仕上げクランクシャフト、新高強度・細軸バルブ、ピストン冷却オイルジェットなど、超精度の加工技術や数々の新素材が投入されていたことにも驚かされました。

 以来、VTECエンジンはホンダ車の代名詞となり、スポーツカーから軽自動車まで幅広い車種に展開されていくことになります。

※ ※ ※

 マイケル・J・フォックスを起用したテレビCMでは「かっこインテグラ」というフレーズで、ライトなイメージを訴求していましたが、一方でホンダのレーシングテクロジーが息づく、硬派な一面も持ち合わせていたこともヒット作となった理由に挙げられます。

 2代目インテグラは、ホンダ車=高性能というイメージを具現化し、国内屈指のスペシャリティカーの地位を確たるものとし、歴史にその名を刻んだのです。

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コメント

3件のコメント

  1. 実質「北米特有だったシビッククーペを新型シビックをベースにグローバル市場に投入」ぐらいのスペックが丁度いいなと思う

  2. HONDA車の復活劇にはあまり良い記憶がないのだか・・・果たして?

  3. HONDAといえばCITYを思い出します。低床にして横転しないようにして復活させて欲しいです。