スーパーカー顔負けの0-100キロ加速2.6秒! ドンカーブート「D8 GTO」の俊足の秘密とは

スポーツカーには、プリミティブな乗り味をストイックに追求するメーカーもあります。まさにそうしたメーカーであるオランダのドンカーブートが、「D8 GTO」の最終モデルを発表しました。

最強ドンカーブート「D8 GTO」誕生

「No compromise=妥協しない」という言葉を企業哲学に掲げるオランダのドンカブート・アウトモビーレン社は、創業者のヨープ・ドンカブートによって(オランダ語での発音では、正確にはドンケルフォールトに近い)設立されたメーカーだ。

 当初ドンカブートがおこなっていたのは、ケータハム製セブンのキットカー販売だったのだが、おもに安全上の理由で政府によって禁止されると、独自のセブン・レプリカの開発と生産をおこなうことになる。そうした経緯から1978年にデビューしたのが、ファーストモデルの「S7=スーパー・セブン」であった。

0-100km/h加速は2.6秒のドンカーブート「D8 GTO」
0-100km/h加速は2.6秒のドンカーブート「D8 GTO」

 1978年に生産を開始したS7は、その後「S8」、「S8A」、「S8AT」と、1990年代半ばまで進化を続けるが、ここまでのモデルに搭載されていたのはフォード製2リッター直列4気筒、もしくは2リッター/2.2リッター直列4気筒ターボで、もっとも高性能だった2.2リッターツインターボのS8ATの最高出力は190psにも達していた。

 彼らの企業哲学をそのまま具現化したかのようなクルマは、限られたパワーで走りの極限を追求するために、快適性などに妥協しない硬派な造りが徹底されていた。

 1999年になると、ドンカブートは新たにドイツのアウディとエンジン供給の契約を締結。1.8リッター直列4気筒ターボで始まったアウディ製エンジンの搭載は、ドンカブートの速さ、そして信頼性に対する評価を一気に高める直接の理由となり、多くのセブン・レプリカが市場から消えていくなかで、ドンカブートは残された数少ない選択肢として人気を集めることになる。

 さらに21世紀を迎えると、ドンカブートは続々と高性能モデルを発表。2005年に25台の限定車として誕生した「D8 270RS」は、車名のとおり270psのアウディ製1.8リッターターボを搭載するモデルで、さらにはE-Gasの使用も可能となっていた。この270psユニットは2008年発表の「D8 270」や「D8 GT」にも受け継がれている。

1978年の「S7」から妥協することなく走る楽しさを追求して行き着いたドンカーブート「D8 GTO」
1978年の「S7」から妥協することなく走る楽しさを追求して行き着いたドンカーブート「D8 GTO」

●ラスト「D8 GTO」は435馬力!

 そして今回発表されたのが、2013年にデビューを飾った「D8 GTO」の最終モデルだ。

 このGTOにはアウディ製の2.5リッター直列5気筒ターボエンジンが採用されており、最高出力はカスタマーの選択で340psから380psまでを発揮させることができた。

 さらにアウディのチューニングではドイツでもっとも多くの実績を誇るABTスポーツラインが、このGTOをベースに420ps仕様という究極のスポーツモデル「D8 GTO-JD70」を限定生産したこともある。

 そのD8 GTOがニューモデルへと進化したのである。エクステリアはよりスピード感とシンプルな造形を意識させるものに徹しており、インテリアも例によってレーシーな雰囲気だが、カスタマーは自分の好みによってインテリアの素材や6速のシーケンシャル・ギアボックス、スポーツサスペンション、4輪ABSなどのオプション装備を加えていくことが可能だ。搭載されるエンジンは、ABTスポーツラインの435ps仕様である。

 車両重量が680kgということもあって、リア駆動でありながら0-100km/h加速は2.6秒と、最新のスーパーカー並みもしくはそれ以上の俊足である。ただし最高速度は280km/hと、300km/h超えが当たり前の最新スーパーカーには及ばないものの、ドンカーブートのケータハムセブンのようなボディならば、体感速度は相当なものであることが容易に想像できる。

 参考までにこのD8 GTOのベース価格は16万2900ユーロ(税別)。邦貨に換算すれば1800万円ほど。これにオプション装備の価格が加わっていくため、いわゆるセブン・レプリカのライバルと比較しても、ドンカブートがいかに高額であるかがわかるだろう。

 余談になるが、ドンカブートではミニチュアモデルも積極的にリリースしている。メインとなるのは1/43スケールで、GTOだけでも数タイプのカラーバリエーションが揃う。

 ドンカブートによれば、今回のGTOでロード仕様のモデルは最終型になるという。はたしてヨープ・ドンカブートの次なる策とは、どういうものなのか。もしかするとそれは、近く明かされるのかもしれない。

【画像】走る楽しさをダイレクトに感じられる「ドンカーブート」とは(24枚)

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー