EV走行義務化も視野に? レクサス新型「NX」に搭載される「ジオフェンス技術」って何?
OTAの拡充など、未来のレクサス・トヨタを見据えた新技術搭載
もうひとつ、山本氏が新型NXで新規導入と説明したのが「OTA」です。
OTAとは「オン・ザ・エアー」のことで、通信によって車載ECU(制御ユニット)のソフトウエアを書き換える技で、テスラを始め、世界各国の自動車メーカーが本格的な導入を急いでいます。
山本氏によると、トヨタがOTAを最初に量産したのは2007年の「マップオンデマンド」で、カーナビゲーションの地図情報の最新化や経路案内について実施したのが始まりだといいます。
また、2017年からはカーナビゲーションに加えて、オーディオなどマルチメディアの一部でOTAによるソフトウエアのアップグレードが可能となっています。
さらに、トヨタ新型「MIRAI」とレクサス「LS」に搭載する高度運転支援システム「チームメイトコンセプト」では運転制御についてのOTAを量産しています。
新型NXを皮切りに、4年ぶりにフルモデルチェンジする「マルチメディア・コネクテッドサービス」では、高度な運転支援システム「トヨタセーフティセンス」やコックピットのグラフィックス表示についてもOTAで対応が可能になるといいます。
では、今後は車載ソフトウエアの最新化はすべてOTAに移行するのでしょうか。
この点について山本氏は、「(なんらかのトラブルによって)車両が機能不全に陥ってはいけないため、ソフトウエアのアップデートは慎重におこなうべき。OTAの内容について、販売店がしっかりとお客様さまに寄り添い説明して頂くことが大事だ」とコメント。
販売店の整備工場で専用機器を使った従来型のソフトウエアのアップデートとOTAを両立化させる意向を示しました。
こうしたジオフェンス技術やOTAのほかにも、新型NXは未来のレクサス、そして未来のトヨタを実感できるさまざまな新技術が搭載されます。
新型NXの発売がいまから待ち遠しく感じます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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