次期「GT-R」はe-POWER搭載? 新型「オーラNISMO」登場で見えた日産の電動NISMO戦略

次期「GT-R」はe-POWERを搭載する!?

 新型オーラNISMOの商品性で注目されるのは、やはり日産の電動パワートレイン「e-POWER」のチューニングです。

 日産は現在、ルノー日産三菱アライアンスのなかで、電動化において「リーフ」と「アリア」による中小型EVの基礎技術、エンジンを発電機として使うe-POWERについて、リーダーという位置付けとなっています。

次期GT-Rもe-POWER搭載か?(GT-R NISMO スペシャルエディション 2022年モデル)
次期GT-Rもe-POWER搭載か?(GT-R NISMO スペシャルエディション 2022年モデル)

 e-POWERについては、日本では2020年6月に発売されたキックスと同年12月にフルモデルチェンジしたノート(3代目)から新世代仕様を導入しており、また海外では新型「エクストレイル」に搭載される1.5リッターVCターボによるe-POWERが登場。

 e-POWER向けエンジンの大排気量化については、2021年春に日産がメディア向けにおこなったオンライン技術意見交換会のなかで明らかになっていました。

 その意見交換会でe-POWER開発者からは、「e-POWERのさらなる進化」を予期させるようなコメントもあったと記憶しています。

 こうした一連の日産の動きを踏まえると、「NISMOのこれから」の中核に「チューンドe-POWER」という存在が確立することは間違いないでしょう。

 そのなかで、やはり気になるのが次世代GT-Rの動向です。

 グローバルでの電動化シフトの潮流のなかで、GT-RのEV化が想定されていてもおかしくはないはずですが、高性能e-POWER化が現実的な落としどころではないでしょうか。

 e-POWERの未知なる可能性を示すためにも、新型オーラNISMOの登場は日産にとって大きな意義があると思います。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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