トヨタ「ランクル」2022年もダカールラリー参戦決定! 市販車クラス9連覇を狙うTLCとは

ダカール・ラリー2022から新たにトーヨータイヤを装着

 2022年のダカール・ラリーには、ランクル300系ではなく、従来型のランクル200系の参戦となります。そこには、市販車部門のレギュレーションが立ちはだかっていると、角谷チーム監督はいいます。

TLCチーム監督の角谷裕司さん。「2022年はランクル200系で参戦しますが、翌年2023年にはランクル300系でチャレンジする予定です」
TLCチーム監督の角谷裕司さん。「2022年はランクル200系で参戦しますが、翌年2023年にはランクル300系でチャレンジする予定です」

「まず市販車部門の規定として、年間の生産台数が1000台以上でなければなりませんので、残念ながら2022年1月までにそれがクリアできません。

 ランドクルーザーは仕向け地によって様々な仕様がありますが、ラリー車をつくる時にはそれらすべての仕様から使うパーツを精査します。FIAの規定で、こうしたパーツや装備品についても生産台数の規定が細かく定められているからなんです」。

 この話を聞いた時に、たとえば200系はどんなグレードを使い、どんな仕様になっているのかが気になってきました。その疑問を、ひとつひとつ三浦選手にぶつけてみました。

「まずラリー車は欧州でつくるため、欧州仕様のロアグレードがベースとなります。これは日本から運ぶのではなく、フランスのディーラーで購入します。トラクションコントロールやマルチテレインセレクトなどの電子デバイスは、すべてカットしてあります。僕自身がマルチテレインセレクトなので(笑)。

 使っているパーツは、ロールケージや防爆燃料タンクなどを除いて、すべて世界のランドクルーザーで使われているパーツです。ボディ補強もおこなっていますが、それも市販車のボディの一部を切って、二重にするといったものです。タイヤは銘柄やモデルは標準タイヤと異なりますが、インチ、リム幅は市販車に付いているものと同じサイズのものを使わなければなりません」

 今回の取材で、2021年ダカール・ラリー仕様のマシンを目の当たりにしましたが、ノーマルよりもかなりロードクリアランスが上がっているのがわかります。海外仕様のランクルのなかには、日本仕様よりも車高が上がっている仕様がありますが、そのサスペンションの装着を考えても、地上高はノーマルとはまるで違います。

 三浦選手に聞いたところ、なんとラダーフレームとアッパーボディの間に4cmアップのブロックをかませて、ボディリフトをおこなっているんだとか。市販車部門では、いろいろな改造のノウハウがありそうです。

 2022シーズンからは、最近さまざまなオフロードラリーで活躍中のトーヨータイヤがパートナーに加わったことも、チームのトピックです。

 ダカール・ラリー2022には、現在開発中の競技志向のタイヤが装着されるとのことなので楽しみですが、
多種多様な路面を走らなければならないラリー車にとって、タイヤの重要性や求められる性能要件の厳しさは容易に想像できます。

TLCのカーナンバー340車のドライバーである三浦昂選手(写真左)と角谷裕司監督(右)
TLCのカーナンバー340車のドライバーである三浦昂選手(写真左)と角谷裕司監督(右)

 まだ正式な開催は決まっていませんが、TLCはダカール・ラリーの前哨線ともいえるモロッコラリーへの準備中です。

 欧州でつくられたTLCのランドクルーザー200系2022年バージョンは、いよいよ最後の挑戦を始めます。新しいマシンの仕様やトーヨータイヤのNEWモデルなど、注目のポイントがいっぱい。ダカール・ラリー2022のゴールまで、まだまだ目が離せません。

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