なぜバックドアは跳ね上げ式が主流? 激レアな横開きバックドアのクルマとは

背面タイヤを装着するクロカンには横開きバックドアが多い

●トヨタ「ランドクルーザープラド」

 クロカン四駆に横開き式のバックドアが多かったのは、スペアタイヤをバックドアに背負う「背面タイヤ」がブームだったからです。

 大きく重い背面タイヤごとバックドアを跳ね上げるのは不都合が多く、結果として横開き式が採用されました。

トヨタ「ランドクルーザープラド」
トヨタ「ランドクルーザープラド」

 トヨタ「ランドクルーザー」も例に漏れず、といいたいところですが、歴代ランクルは横開き式だけでなく観音開き式や上下分割式などさまざまなバックドアが混在。同じモデルでもグレードによって異なるということもあります。

 一方、徹底して横開き式を続けているのは「ランドクルーザープラド」のみ。2代目から現行型の4代目まで継続して採用されています。

 ちなみに、観音開き式は横開き式と同様に背面タイヤごとバックドアを横向きに開けますが、上下分割式では背面タイヤのキャリアがバックドアとは別に用意され、最初に背面タイヤキャリアをどけてからバックドアを開ける構造になっています。

 現行型ランクルプラドは横開き式バックドアを採用していますが、海外仕様には背面タイヤを装着するものもあります(国内仕様は未装着)。

 ちょっとした荷物の出し入れができるようバックドアのウインドウ部だけ開閉できるようになっているのが特徴で、この部分は跳ね上げ式のため横開き式バックドアながらちょっとした雨避けにもなります。

●メルセデス・ベンツ「Gクラス」

 高級サルーンの代名詞的存在であったメルセデス・ベンツが、1979年に登場させた本格的なオフロード4WD。

 当初は「ゲレンデヴァーゲン」の名で販売されていましたが、1993年の「Cクラス」登場から始まったメルセデス・ベンツの新しい車名の法則に則り、1995年から「Gクラス」の名称に変更されました。

 そんなGクラスの現行型は3代目になりますが、徹底したキープコンセプトによりスタイリングは初代の面影を色濃く残します。

 2代目とはアウタードアハンドルとウィンドウウォッシャーのノズル、スペアタイヤカバーぐらいしか共通部品はありませんが、両車はよく似ていて、メルセデス・ベンツはフルモデルチェンジとは公式にアナウンスしていません。

 Gクラスのバックドアは、初代から継続して横開き式を採用。ほかの横開きのクルマほど車幅いっぱいには開かない狭めな開口部なことから、利便性よりボディ剛性を優先していることがわかります。

 バックドアの開く向きが国産車とは逆になっているのは、「輸入車あるある」といったところでしょう。

 向かって左側にヒンジがあり、右側から開けるのは、右側通行の道路での使い勝手を考えてのもの。左側通行の日本では車道側に立つことになるため、開閉の際は注意が必要です。

※ ※ ※

 バックドアは横開き式と跳ね上げ式のほか、観音開き式と上下分割式が昔からある定番のスタイルです。

 そんななか、2015年にまったく新しいバックドアとして誕生したのが、ホンダ「ステップワゴン」の「わくわくゲート」です。

 これは跳ね上げ式でありながら、横開きのサブドアが備わるという優れもの。コスト面やデザイン面で好き嫌いが分かれるスタイルではありますが、こうした新しいアイディアも登場しています。

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3件のコメント

  1. 両方出来るのあった記憶があったけど、わくわくゲートか
    コスト高そうだけど、何とか全車に設定して欲しいなぁ…

  2. 上げでも横でもどちらでもまわない。愛車に慣れるだけの事。

  3. 観音開き式…

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