なぜバックドアは跳ね上げ式が主流? 激レアな横開きバックドアのクルマとは
開閉に大きな力を必要とせず、クルマの後方にあまりスペースがなくてもちょっとした荷物なら積み込める横開き式のバックドア。いまではレアな存在となってしまいましたが、どのような車種に採用されているのでしょうか。
横開きのバックドアを採用するモデルが減少!?
近年4ドアセダンや2ドアクーペの販売は苦戦が続き、日本国内では軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンなどが隆盛を極めています。
これらのクルマに共通しているのが、大きな「バックドア」を備えているということです。メーカーや車種によってバックドアの名称は異なりますが、「リアゲート」や「リアハッチ」、「ハッチゲート」あるいは「テールゲート」などとも呼ばれています。
このバックドアにも種類があり、ルーフ側にヒンジがあり下から上へと開く「跳ね上げ式」が主流ですが、近ごろ減少傾向なのが前席のドアのように開閉する「横開き式」です。
跳ね上げ式はヒンジをルーフに、ドアのキャッチをバンパーに追いやることができるため開口部を広く取れ、そのバックドアが庇(ひさし)がわりになって雨をしのげるのがメリット。デメリットは高い位置まで上がるバックドアの開閉に力が必要なことです。
一方の横開き式のメリットは跳ね上げ式のように開閉に力がいらず、後方にスペースがあまりなくても少しだけドアを開ければ荷物を出し入れできることです。逆に、風の影響を受けやすいことや、雨天時に雨が吹き込みやすいのがデメリットになります。
それぞれ一長一短あるのですが、近年横横開き式は跳ね上げ式に押され気味。それというのも、軽量な樹脂製バックドアや電動開閉機構の採用で、操作が重いという跳ね上げ式のデメリットがだいぶ改善されたからにほかなりません。
横開き式の代表的な車種だった日産「キューブ」は生産終了となり、ダイハツ「ムーヴ」は跳ね上げ式に転身してしまうなど、いま新車で購入できる横開き式のモデルはほとんどないのが現状です。
とはいえ、限られたスペースで荷物を出し入れしたいと考えるユーザーも決して少なくはありません。
そこで、今回はレアな存在となった横開き式バックドアを採用するモデルを通じて横開き式バックドアの魅力を紹介します。
●スズキ「ジムニー」
軽自動車でありながら、高い悪路走破性を誇る本格派のオフロード4WDとして人気のスズキ「ジムニー」。2018年に発売された現行型は4代目にあたりますが、じつは初代から現行まで一貫して横開き式を採用する筋金入りのモデルです。
とはいえ、1970年のデビュー当初はオープンカーのみの設定だったため、リアにはトラックのように下向きに開く「あおり」があるのみ。横開き式のバックドアは、1972年にエンジンが水冷化されたタイミングで追加されたバンモデルで初採用されました。
当時のカタログのバックドアの説明に「補助席(後席)の乗り降りにとても便利」と記載されていたことからも分かるように、跳ね上げ式ではなく横開き式を採用したのは、室内からの開閉を考慮してのこと。
バックドアの室内側には「埋込式バックドアインサイドドアハンドル」が標準で装備されていました。
1981年に登場した2代目も横開き式ですが、フロントのドアを大きくしたり、「助手席ウォークイン機構」や「前倒れシートバック」を設定するなど、後席へはバックドアからではなく助手席側のドアからのアクセスするようになっています。
2代目以降はバックドアにダンパーを装着。現行型はドアハンドルを引くと、ダンパーの効果により自動でバックドアが全開になります。
軽い力で開閉できるため便利ではあるのですが、狭いところでは勢いあまって障害物に当たってしまうこともあり、注意が必要です。
しかし後方にスペースがあまりなくても荷物の積み下ろしができるのが横開き式のメリットでもあるため、段階的に開けることができる社外品のダンパーに交換するオーナーも少なくないそうです。
両方出来るのあった記憶があったけど、わくわくゲートか
コスト高そうだけど、何とか全車に設定して欲しいなぁ…
上げでも横でもどちらでもまわない。愛車に慣れるだけの事。
観音開き式…