無骨ながらカッコイイ! ちょっと前のスタイリッシュなクロカン車3選
ここ数年で一気に人気が高まったSUVですが、その原点いうべきクロスカントリー4WD車はだいぶ少なくなってしまいました。そこで、ちょっと前まで販売されていたスタイリッシュなクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
少し前まで販売されていた、スタイリッシュなクロカン車を振り返る
2021年8月2日に、トヨタ新型「ランドクルーザー」が発売されました。先代が登場してから実に14年ぶりとなるフルモデルチェンジで、すでに納車には1年以上を要する人気ぶりです。
1990年代の初頭に、日本の自動車市場では「RVブーム」が起こり、なかでもクロスカントリー4WD車の人気は凄まじく、市場を席巻していたほどです。
そのため、ブームにあやかろうと各メーカーからクロカン車が次々と発売されましたが、ブームの終焉とともに徐々に消えていき、今ではランドクルーザーシリーズとスズキ「ジムニー」が、国内のクロカン車市場を代表する存在となっています。
高い悪路走破性を発揮するクロカン車ですが、新型ランドクルーザーやジムニーは機能美といえるほど、スタイルも秀逸です。
一は、かつても両車に匹敵するほど、スタイリッシュなクロカン車も存在。そこで、ちょっと前まで販売されていたカッコいいクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「ロッキー」
2019年11月に、ダイハツはコンパクトSUVの「ロッキー」を発売しました。このロッキーという車名は、かつて販売していた本格的なクロスカントリー4WD車の名前が再利用されたかたちです。
その先祖にあたる初代ロッキーは、1990年に誕生したコンパクトサイズのクロカン車で、ちょうど現在のスズキ「ジムニーシエラ」にようなポジションのモデルでした。
ロッキーは日本だけでなく、北米や欧州でも販売するグローバルカーとして開発され、車体の構成はラダーフレームに3ドアのボディを架装する、クロカン車では定石といえるつくりです。
サスペンションもフロントにトーションバースプリングのダブルウイッシュボーン、リアはリーフスプリングを使ったリジッドアクスルとするなど、本格的な悪路走行を想定していました。
外観はスクエアでスタイリッシュなフォルムのボディで、3ドアワゴンタイプと、リアのルーフからサイドウインドウが取り外せる2ドアのレジントップを採用。
搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒ガソリンのみで、トランスミッションは当初5速MTだけでしたが、後に4速ATを追加しました。
初代ロッキーはコンパクトなクロカン車として一定の人気がありましたが、スズキや三菱とのシェア争いにはかなわず、1997年に生産を終了。そして、22年の歳月を経て復活を果たしました。
●日産「サファリ」
とにかく悪路走破性だけを考えたストイックな国産クロカン車といえば三菱「ジープ」が代表的存在ですが、ジープと並ぶモデルとして、1951年に誕生した日産初代「パトロール」があります・
その後、このパトロールの後継車として1980年に初代「サファリ」が発売されました。
初代はシンプルな装備に迫力あるボディで、プロからも信頼される本物の「ギア」として人気となります。そして1987年に登場した2代目では、サスペンションを初代の4輪リーフリジッドからコイルスプリングへ変更するためにラダーフレームが新設計され、オンロード走行時の操縦安定性と、普段使いの快適性が大幅に改善されました。
また、2代目サファリはRVブームの頃、大型で迫力のあるボディによって高い人気を誇りました。
その後、1997年に3代目が登場。ボディ構造はラダーフレームにステーションワゴンタイプのボディを架装するのは変わりませんが、デザインを一新。
2代目は迫力ある無骨なデザインでそれも大いに魅力的でしたが、3代目はより大型化されつつも洗練されたスマートなフェルムとなっています。
ボディタイプはロングホイールベースの5ドアと、ショートホイールベースの3ドアが設定され、発売当初のエンジンは2.8リッターと4.2リッター直列6気筒ディーゼルターボに、4.5リッター直列6気筒ガソリンと、さまざまなニーズに対応。ディーゼル車のトランスミッションは4速ATに加え、5速MTも選べました。
しかし、発売された頃にはすでにRVブームは終焉し、国内での販売が低迷したことで2007年に3代目をもってサファリの歴史に幕が閉じられました。
一方、現在も海外ではパトロールの名で販売が続けられており、よりラグジュアリーなモデルとなってランドクルーザーのライバルとしても人気です。
●トヨタ「FJクルーザー」
ランドクルーザーシリーズのなかでも、より普段使いにも適したモデルが、ライトデューティと呼ばれる「ランドクルーザープラド」です。
もともとは70系をレジャーユースに特化した「ランドクルーザー ワゴン」として1985年に誕生。その後、1990年に2代目が登場し、ランドクルーザープラドへと車名が変わり、現在に至ります。
そして、3代目プラドのラダーフレームを利用して開発されたのが、2006年に北米専用車としてデビューした「FJクルーザー」で、日本でも話題となったことから2010年に国内でも販売を開始。
外観はプラドとはまったく異なり 丸目2灯のヘッドライトやトヨタのCIマークを使わずグリル前面に配された「TOYOTA」のロゴ、ホワイトにカラーリングされたルーフなど、40系をオマージュしたネオクラシックなデザインです。
また、クラシカルな雰囲気がある一方で最新の機構を融合させており、前後方向に開く観音開きのサイドドアが特徴的です。
エンジンは国内仕様では4リッターV型6気筒で、5速ATを組み合せた4WDのみ。海外ではFRの2WD車や6速MTモデル(4WDのみ)も設定されました。
国内外でヒットしたFJクルーザーですが、2017年10月に最後の限定モデル「ファイナルエディション」が発売され、2018年1月に生産を終了。
しかし、現在も中東や南アフリカなどで、新車の販売が継続されています。
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前述のとおり新型ランドクルーザーは、いま発注しても納車は1年以上先となる見通しと、公式にアナウンスされています。
これは、人気があることも確かなのですが、ランドクルーザーシリーズのほぼすべてが日本の工場で生産されており、世界各地に輸出されているため、生産能力には限界があるからです。
ランドクルーザーというと高い信頼性と悪路走破性、耐久性が評価されていますが、それを実現するために、日本製にこだわっているといえるでしょう。
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