よくぞ売った! 市販車とは思えない大胆すぎるモデファイを行なった車3選

近年、日本でもクルマのカスタマイズは一般的におこなわれるようになりました。一方、メーカー自らがおこなうモデファイでは、凄まじいレベルに達するクルマも存在。そこで、市販車とは思えないほどカスタマイズされたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

大胆にモデファイされたクルマを振り返る

「クルマはノーマルが一番!」という意見の人もいるかと思いますが、愛車を自分好みに仕立てるカスタマイズを楽しむユーザーも増えています。

 かつて、日本で「改造」というとアウトローなイメージがありましたが、今では業界団体の努力もあり、市民権が得られるようになりました。

メーカーならではといえる大胆なモデファイが施されたクルマたち
メーカーならではといえる大胆なモデファイが施されたクルマたち

 こうしたカスタマイズの手法や範囲はさまざまですが、自動車メーカーが自ら手掛けるケースも珍しくありません。そして、メーカーだからこそできる、大規模にモデファイされたクルマも存在。

 そこで、市販車とは思えないほど手が加えられたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「GT-R50 by Italdesign」

外観はノーマルの部分がほとんど無いほど手が加えられた「GT-R50 by Italdesign」

 1969年に、レースで勝利するために誕生した日産「スカイラインGT-R」は、代を重ねても常に性能的に国産車の頂点に君臨してきました。

 そして、今では日産「GT-R」となり、世界に誇れる性能のスーパーカーへと進化を遂げました。

 この初代スカイラインGT-Rの生誕50周年を記念して2019年に発表されたのが、「Nissan GT-R50 by Italdesign」(以下「GT-R50」)です。

 GT-R50はイタリアの名門カロッツェリアであるイタルデザインと日産による合作で、イタルデザインも2018年に創立50周年を迎えたということも、コラボレーションに至った経緯となっています。

 ベースはGT-Rのバリエーションのなかでも最強のモデルである「GT-R NISMO」で、日本で生産されたシャシとエンジンをイタルデザインへ運び、イタリアで内外装のアッセンブリーがおこなわれて世界中にデリバリーされます。

 外観デザインはGT-Rのシルエットを継承するも、ほぼすべてパーツが変更されており、キャビンは低く作り変えられ、リアセクションはハッチバック化されるなど、完全に別モノです。

 内装は大きく変更されていませんが、ユーザーの好みに合わせた素材やカラーコーディネートが選択可能とされました。

 また、エンジンはNISMOにより1台ずつ手作業で組み立てられる専用の仕様で、大幅にチューンナップされた結果、最高出力720馬力、最大トルク780Nmを発揮し、当然ながらトランスミッションなどの駆動系も強化。

 限定台数は50台で、価格は日本円で約1億2000万円からとされ、すでに完売しているとみられています。

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●スマート「クロスブレード」

乗るにはかなりの勇気と忍耐力が必要となりそうな「クロスブレード」

 1998年にダイムラーとスイスの時計メーカーであるスウォッチが共同で立ち上げたMCC車から、2人乗りのマイクロカースマート「シティークーペ」(後に「フォーツー」に改名)が発売されました。

 全長わずか2500mmながら強固なモノコックシャシ「トリディオンセーフティシェル」を採用したことで、高い衝突安全性を確保し、シティコミューターとして欧州で大ヒットを記録。

 そして、2001年にはオープンカーの「フォーツー カブリオ」をベースに作られた「クロスブレード」が誕生しました。

 クロスブレードはショーカーとしてつくられたモデルでしたが、斬新なデザインが好評だったため、限定車として発売されることになりました。

 外観では屋根はおろかフロントウインドウも撤去され、ドアはパネルタイプではなくバータイプのものが装着されるのみです。

 ほかにも専用デザインのバンパーやフェンダー、ホイールなどが装着されていますが、ソフトトップの設定はありません。

 そのため、内装にはある程度の防水処理が施され駐車中に内装を保護するトノカバーはありましたが、走行中に雨が降っても乗員を保護するものなく、濡れるに任せるままです。

 エンジンはベース車と同じ600cc直列3気筒ターボを搭載していますが、最高出力は70馬力に向上。

 日本でも2002年に25台が限定販売されて完売し、さらに2003年に34台が追加で販売されました。

 一時期は程度の良い中古車が販売されていたものの、現在はほとんど流通していません。

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●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションII」

普通のセダンが戦闘マシンに変貌を遂げたかたちの「190E 2.5-16 エボリューションII」

 古くからメルセデス・ベンツのクルマといえば、世界中で富の象徴といえる存在でした。

 しかし、さらなる顧客拡大を図るために比較的安価なエントリーモデルを開発。1982年に「190シリーズ」が欧州で発売されました。

 190シリーズは当時のメルセデス・ベンツ車のなかでもっともコンパクトなセダンであり、日本でも1985年に発売されるとヒットを記録。日本におけるメルセデス・ベンツの普及に貢献しました。

 その後、1986年には190Eをベースに、コスワースによって開発された175馬力の2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する高性能グレードの「190E 2.3-16」が登場し、ドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦。

 さらに1988年には、DTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターにアップし、最高出力200馬力を発揮する「190E 2.5-16」がデビューしました。

 そして1989年に、より戦闘力を高めたエボリューションモデルの「190E 2.5-16エボリューションI」が、1990年には最高出力235馬力を誇る「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台限定が生産されました。

 この190E 2.5-16エボリューションIIは、市販車とは思えないほどアグレッシブなデザインのエアロパーツが装着されており、もともとはベーシックなセダンだった190Eが、まさに戦闘マシンへと変貌を遂げています。

 外観は前後のアンダースポイラーに、そびえ立つほど巨大なリアウイング、4輪にはオーバーフェンダーが装着されるなど、実際のレースで空力的な効果が発揮されることを前提に開発されており、見かけだけではありません。

 なお、190E 2.5-16エボリューションIIは最終的には502台がデリバリーされたといわれ、今ではその希少価値から日本円で4000万円以上の価格で取り引きされています。

※ ※ ※

 最後に紹介した190E 2.5-16エボリューションIIはレースに勝つという目的で開発されましたが、クロスブレードに至っては完全に遊び心でつくられたといえます。

 クロスブレードは公道を走るだけでかなりの注目度ですから、乗るには勇気がいるでしょう。

 なお、高速道路を走る際はヘルメットの装着が推奨されたようで、よくぞ市販できたものです。

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