ニュル最速にポルシェ「911 GT2 RS」が再び! ノルドシュライフェ最速ベスト10【公道走行可能車両編】
ノルドシュライフェを制するポルシェ勢
「ノルドシュライフェ」こと、ニュルブルクリンク北コースにおける市販車のラップタイムBest10。ここからは、上位5台を紹介しよう。
●第5位/ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」:6分44秒97(2018年)
現時点における、市販モデルのノルドシュライフェのラップタイム第5位は、2018年に発表され、900台が限定生産された「ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ」だ。
その7年前にデビューしたアヴェンタドール、および2015年に登場した高性能版「SV」をさらにスープアップしたモデルで、車名の末尾には「イオタ(Jota)」の末裔であることを示す「J」のイニシャルが入れられた。
V12ユニットはSVの750psから770psに増強。カーボンパーツの多様で軽量化を極めるとともに、エアロダイナミクスもウラカン・ペルフォマンテで初採用された「ALA」の改良版「ALA2.0」で武装。よりサーキット志向の高いスーパースポーツとなる。
2019年のGTシリーズチャンピオンで、日本のスーパーGTにもウラカンGT3で参戦したこともあるレーシングドライバー、マルコ・マペッリ選手のドライブにより、その2年前に弟分である「ウラカン・ペルフォマンテ」が、同じドライバーとともに計上したタイムを5秒以上も縮め、ランボルギーニ社内での序列、そして「J」の称号がノルドシュライフェでも通用することを証明してみせた。
●第4位/メルセデスAMG「GTブラックシリーズ」:6分43秒616(2020年)
2020年夏にデジタルワールドプレミアに供された、現時点における究極の「メルセデスAMG GT」。4リッターV8ツインターボエンジンは専用チューンとされ、最高出力は730psを発生。0-100km/h加速3.2秒、最高速325km/hという高性能をもたらす。
ピローボールも使用したサスペンションのチューニングや、スタンダードのGTとは一線を画した様相のエアロダイナミクスは、世界の耐久レースで活躍しているメルセデスAMG「GT3」および「GT4」で培われたノウハウが投入されたもので、市販ロードカーながらGTレーシングカーさながらのルックスと内容を誇る1台となった。
デビュー直後、AMG GT3とともに欧州のGTレースを闘ってきたレーシングドライバー、マロ・エンゲル選手のドライブでタイムアタックにチャレンジ。見事に2年前にランボルギーニ・アヴェンタドールSVJが計上したタイムの更新に成功した。
●第3位/マクラーレン「P1LM」:6分43秒22(2017年)
現在のマクラーレンにおける最上級パイパーカーシリーズ、「アルティメット・シリーズ」の第1弾として、2013年春に正式発表されたハイブリッド・ハイパーカー「P1」をベースとしたクローズドサーキット専用車両「P1GTR」に、さらにロードカーとして公道登録を可能とする装備を加えて、世界限定5台のみ販売されたのが「P1LM」だ。
P1GTR同じく、モーターとエンジンの出力合計は1000psに到達。軽量なインコネル合金製エキゾーストやレキサン樹脂製ウインドウ、チタン製ボルトなどを採用する一方で、レース専用装備であるオンボードエアジャッキなどを取り外したことで、P1 GTRからもさらに60kgの軽量化を達成したという。
また、公道仕様とはいえエアロダイナミクスはP1GTRと同等の仕立てとされ、ダウンフォースはスタンダードP1から40%も向上していた。
2013年にスタンダードP1もタイムアタックをおこなっていたのだが、その際のタイムは「7分以下」とだけ公表されていた。しかしP1LMのタイムアタックでは、1999年のインディ500レース優勝者、ケニー・ブラック選手のドライブで、その実力を証明することができたようだ。
●第2位/ポルシェ「911 GT2 RS-MR」:6分40秒33(2018年)
2018年11月に、ノルドシュライフェのタイムアタックで当時の新記録を打ち立てた「ポルシェ911 GT2 RS MR」。その車名の末尾の「MR」は、ポルシェのGTレース活動におけるパートナーで、現在ではポルシェが株式の51%を保有する「マンタイ・レーシング(Manthey Racing)」のイニシャルである。
もとよりモンスターである911(991系)GT2RSをベースに、700psのボクサー6ツインターボエンジンはそのままながら、日本円にして約1200万円にもおよぶマンタイ・レーシング製パーツによって、シャシおよびエアロダイナミクスを大幅にリファイン。
その1年前に、同じくポルシェ本社の開発ドライバーであるラース・カーン氏のドライブでGT2RSが打ち立てたタイムを、同じカーン氏のドライブで約7秒も短縮することに成功した。
この6分40秒33というラップタイムは同年8月に「アヴェンタドールSVJ」が達成した当時の市販ロードカー最速ラップ、6分44秒97を約5秒も上回るもので、わずか3か月で最速の座を奪う結果となった。
●第1位/ポルシェ「911 GT2 RSマンタイパフォーマンスキット」:6分38秒835(2021年)
2018年以来「ノルドシュライフェ最速市販車」の地位にあった「ポルシェ911GT2RS」と「マンタイ・レーシング」そして「ラース・カーン」のトリオは、2年8か月後となる今年6月に自らの記録を塗り替え、新たな王座に就くことになった。
今回のタイムアタックに挑んだGT2RSは、911GT2RS用に特別に開発されたシャシ、空力パーツ、ブレーキコンポーネントで構成され、ポルシェの保証も適用される純正オプション「マンタイパフォーマンスキット」が装着されている。
このマンタイ製キットは約3年分のアップデートにより、新開発のリアスポイラー、専用のディフューザー、後輪のエアロディスクなどが装備され、「GT2RS MR」時代からの大幅な進化を遂げたという。
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