日本にはシビックタイプRがあったけど海外は? 世界の1.6リッター・スポーツ車5選
マレーシア代表と日本代表の1.6リッター・ホットモデルとは
●プロトン「サトリアネオ」
マレーシアの自動車メーカーであるプロトンは日本ではあまり馴染みがありませんが、かつては名門スポーツカーメーカーのロータスを傘下に収めていました。
1985年に誕生したプロトンは、当初、三菱と提携してOEM車を含むクルマの生産・販売を開始。その後は独自のモデルを展開するようになりました。
そのなかの1台が2006年に発売されたFF3ドアハッチバックの「サトリアネオ」です。
もともと三菱4代目「ミラージュ」をベースに開発された初代「サトリア」でしたが、2代目にあたるサトリアネオも基本的なレイアウトはミラージュをベースとしながらも、シャシやエンジンなど多くの主要部品は自社開発です。
グレード構成は1.3リッターのエントリーモデルのほか、113馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載したホットモデルが存在。
サスペンションはフロントにストラット、リアにマルチリンクを採用した独立懸架で、1.6リッターモデルはロータスがチューニングをおこない、優れたハンドリングを実現。その証として、リアハッチには「ハンドリング・バイ・ロータス」のエンブレムが装着されています。
この1.6リッターモデルのサトリアネオは基本性能の高さからラリーやダートトライアルのベース車として、日本でも株式会社キャロッセが正規輸入して比較的安価な価格で販売されました。
●ホンダ「シビック タイプR」
最後に紹介するのは日本を代表する1.6リッタースポーツ車と言っても過言ではない、初代「シビック タイプR」です。
1997年8月に6代目シビックのマイナーチェンジの際に、3ドアハッチバックモデルをベースとしてラインナップされ、ホンダのタイプRシリーズとしては、NSX」「インテグラ」に続く第3弾となるモデルとなりました。
外観では専用のエアロパーツに加え、専用のボディカラー「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーとし(他の色も設定)、赤地のホンダエンブレムがタイプRの証です。
搭載されたエンジンは専用にチューニングされた1.6リッター直列4気筒DOHC VTECで、最高出力185馬力を発揮。自然吸気エンジンとして当時世界最高クラスの高出力である、リッター当たり116馬力を実現しました。
また、シャシも大きく手が入れられ、優れた旋回性能と走行安定性を確保するために、車高のダウンによる低重心化、ハードチューニングサスペンション、トルク感応型ヘリカルLSD、専用チューニングのブレーキが採用されました。
パフォーマンスロッドの追加によるボディ剛性アップや、タイプR専用の「ポテンザRE010」ハイグリップタイヤが装備され、運動性能が飛躍的に向上。
内装ではエアバッグを内蔵したMOMO社製直径368mm(エアバッグレスオプション車は350mm)の小径ステアリング、ホールド性を高めるレカロ社製バケットシートと、シートに合わせてコーディネイトしたインテリア素材、ショートストロークのシフトノブはチタン削り出し品とされるなど、従来のタイプRの作法に則って仕立てられています。
シビック タイプRはサーキット走行を想定して開発されたため、公道での乗り心地を犠牲にしていましたが、そうしたストイックな面は走り好きには大きい魅力的に映り、ヒット作になりました。
※ ※ ※
2021年6月24日に、11代目となる新型「シビック」が世界初公開されました。それと同時に2022年にはシビック タイプRが登場することも発表され、大いに話題となっています。
最初で最後の1.6リッターモデルだった「EK9型」シビック タイプRも大いに魅力的ですが、次期型もきっと素晴らしいスペックと走りでファンを魅了することでしょう。
先代スイスポが入ってないのナンデ
1.6Lじゃないから。