マツダ次期型「ロードスター」は脱炭素化? 歴代オーナーが将来のロードスターに期待すること
世界中で愛されている、マツダ「ロードスター」の歴史
そんな人馬一体を掲げて開発されたNA型はライトウェイトスポーツカーとして、1989年にマツダのユーノスブランドから登場しました。
必要のないものを削ぎ落として開発されたNA型は、非常に軽量なうえ、低いボンネットフードによって重心が下げられ、操縦安定性と運転操作の的確さが確保されています。
パワートレインは、1.6リッター(前期)/1.8リッター(後期)の直列4気筒エンジンが搭載されたNA型の魅力について、前出のA氏は「エンジンのレスポンスも良く、エンジンやマフラー音も気に入っています」と話します。
NA型は発売の翌年である1990年に世界中で9万3626台も売り上げる大ヒットモデルですが、実は人気を集めたのはNA型だけではありません。
1997年に販売が開始された2代目のNB型も初代の人気を引き継ぎ、多くの人の愛車として現在でも乗り継がれているモデルです。
NA型同様に丸みのあるボディとあえて手動開閉式にされたソフトトップ、もちろん軽量で爽快な走行が可能です。
ヘッドライトは固定化され、NA型では前期と後期で排気量が異なりますが、NB型では発売時から1.6リッターと1.8リッターのパワートレインが選択できるようになっています。
NB型の魅力について、前出のB氏は「NB型は比較的価格が安いうえに、内外装ともに洗練された雰囲気があります」と話します。
続いて2005年に登場した3代目のNC型は、NA型やNB型と比較するとややボディサイズが大きく、電動開閉式のハードトップ「RHT(リトラクタブル・ハードトップ)」が採用されるなど現代的なモデルとなっています。
採用された電動式ハードトップは、当時世界最速となる約12秒という開閉スピードを誇り、マツダの技術力を広める要因になりました。
ボディサイズが大きくなったことで、先代より重厚感があるようにも感じられますが、車重はソフトトップ仕様の場合では約10kgの増加にとどまり、アルミ素材やプラスチックパーツを多用することで、軽量化が図られています。
NA型やNB型、そしてNC型まで登場のたびに注目を集めたロードスターは、2015年に現行となる4代目のND型の販売が開始されました。
先代のロードスターの曲線美を活かしつつ、シャープで少しエッジの効いたデザインであるND型は非常に人気を集め、2019年3月期には国内で2万9364台が生産されています。
ND型には先代から引き継いだソフトトップ仕様と、新たに登場した電動ハードトップ仕様の「ロードスター RF」がラインナップされました。
RFはソフトトップ仕様のND型と比較すると少し異なるボディ形状を持ち、サイドから見るとハッチバッククーペのような印象を受けます。
オープン時にピラーが残るように設計されているため、ソフトトップと一風変わったデザインとなっているのもポイントです。
前出のD氏は現行型のなかでもRFを選んでおり、オーナーとして感じる魅力について以下のように話します。
「電動ハードトップ開閉時のメカニカルな動きが好きです。
以前までのロードスターは可愛らしい印象でしたが、ND型はシャープでかっこ良いと感じています」
全4世代となるロードスターは国内だけでなく、海外でも根強い人気があります。
ロードスターは海外で「MX-5」として発売されており、北米では「MX-5 MIATA(ミアータ)」とサブネームが付けられて親しまれています。
現行のND型だけでなく、4世代それぞれにファンがおり、ロードスターが長く、そして幅広く人気であることがうかがえます。
国内外問わず人気が根強いことから、マツダにとってロードスターの存在は非常に大きいと考えられます。
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各自動車メーカーではそのブランドを象徴するスポーツモデルを持っていますが、決して量販車となることはないために開発や販売を中止することも長い歴史のなかではありました。
しかし、最近ではその自動車メーカーを象徴するスポーツカーを復活&継続させる動きも徐々に出てきており、マツダは「カーボンニュートラルの実現」に取り組む一環として、ロードスターの電動化やe-fuelの活用に踏み切ろうとしているのかもしれません。
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