なぜトヨタ「スープラ」が2億円超? 世界が釘付けになる歴代スープラが凄い!

過去には2億円超えで落札されたスープラも存在!

 ●「A70(1993年式)」
 落札価格:7万4800ドル(約823万円)
 走行距離:191マイル(約305キロ)

 2021年6月にラスベガスで開催されたオークションでは、30年前のスープラも登場しました。

 走行距離わずか300キロというほぼ新車のA70のタルガトップです。アメリカでのスープラとして3世代目。

 日本ではこのA70でセリカから独立してスープラという新しい車名が与えられました。

 このスープラのすごいところはほぼ新車ということです。最初のオーナーに納車されたのは1990年8月31日で、長い間コレクションとして保管されていました。

 3リッター7M-GTEU型直列6気筒ターボエンジンは5速MTと組み合わされ、メーカーオプションのスポーツパッケージ(電子サスペンション、本革パワーシートなど)が装備されています。

 ダブルウィッシュボーンサスペンション、プログレッシブパワーステアリング、オートエアコン、デフォッガー付きのデュアルカラーコーディネートされた外部電動ミラー、LEDタイプのハイマウントブレーキライト付きリアスポイラーなど豪華装備が満載されています。

 新車時からずっと同じ状態ということで新品のオーナーマニュアルに始まり、納車時のプラスチックカバーまでが残っているという非常に珍しい個体です。

 ●「A60(1985年式)」
 落札価格:8250ドル(約90万7500円)
 走行距離:不明

 1985年式のA60はアメリカでは2世代目となり、日本では2代目「セリカXX」の車名で販売されていたモデルです。

 製造から35年経過しているこのような古いモデルは「サバイバーカー」と呼ばれます。

 走行距離が不明なのか記載がなく、一度全塗装されているとのことで、価格は約90万円で落札されています。

2代目スープラ/2代目セリカXXとして販売されていた「A60(1985年式)」(photo:Barrett Jackson Auction)
2代目スープラ/2代目セリカXXとして販売されていた「A60(1985年式)」(photo:Barrett Jackson Auction)

 ●「A90(2020年式)」
 落札価格:11万ドル(約1210万円)
 走行距離:739マイル(約1182キロ)

 バレット・ジャクソンで落札されたA90(GRスープラ)は過去に2台あり、いずれも非常に高額です。

 1台は、2019年1月19日に米国アリゾナ州で開催されたオークションで、落札されたのはA90の「生産ライン1号車」。

 マットグレーのボディカラーに赤いドアミラーが装着され、ツヤ消しブラックのアルミホイールを履いた世界に1台しかない特別なモデルです

 このA90は、210万ドル(約2億3100万円)という途方もない価格で落札されています。

 もう1台は、A90が2019年夏に販売した1500台限定の「ローンチエディション」をベースにしたモデルです。

 これは、トヨタがニューヨークヤンキースの殿堂入り選手となるマリアノ・リベラ氏のために特別に製作した1台。

 ドアに貼られた42番はリベラ選手の背番号ですが、シリアル番号も1500台作られたローンチエディションの42番目となっているなど、細かな部分まで配慮されたモデルです。

※ ※ ※

 これまで多くの歴代スープラがオークションにかけられてきましたが、それぞれに個性的なエピソードが存在します。

 今後も新たなスープラ伝説が築かれていくのかもしれません。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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