なぜトヨタ「スープラ」が2億円超? 世界が釘付けになる歴代スープラが凄い!

トヨタ「スープラ」といえば世界中に多くのファンが存在する名車ですが、自動車オークションでは、さまざまな個体が高値で落札されています。そのなかには、どのようなモデルが存在したのでしょうか。

もはや手が届かないレベルになりつつある「スープラ」

 トヨタのスポーツカーを代表する「スープラ」。2019年には17年ぶりとなる新型「スープラ(A90)」がBMWと共同開発される形で発表されました。
 
 また、先代となるA80は人気映画などで活躍したことなどもあり、オークションなどで高額な価格を付けて取引されています。
 
 歴代スープラにはどのような伝説があるのでしょうか。

歴代スープラが凄すぎる! 落札価格8万8000ドル(約968万円)の「A80(1997年式)」(photo:Barrett Jackson Auction)
歴代スープラが凄すぎる! 落札価格8万8000ドル(約968万円)の「A80(1997年式)」(photo:Barrett Jackson Auction)

 世界中には、さまざま自動車オークションが存在します。そのなかでも、コレクター向けオークションとして有名なのが「バレット・ジャクソン」です。

 バレット・ジャクソンとは、米国アリゾナ州スコッツデールに本社を置く自動車コレクターを対象にした世界最大のオークションです。

 1960年代初頭、アリゾナに住む2人の自動車愛好家、ラス・ジャクソン氏とトム・バレット氏の軽い雑談から始まり、1971年よりコレクター向けの自動車オークションとして本格的にスタートしました。

 本拠地であるスコッツデールのほか、ネバダ州ラスベガスやテキサス州ヒューストンなどで開催されており、世界中からオンラインでの入札も可能で、2021年で50年の歴史あるコレクター向けオークションです。

 なかでも、1980年から1990年代の右ハンドル仕様、オレンジ色のウィンカー、サイドバイザー、車検ステッカーなどの日本独自の装備や仕様や、「25年ルール」が適用されてアメリカでの輸入販売登録が許可されたクルマそのものを指す「JDM(Japanese Domestic Market)」と呼ばれるクルマの人気が急激に高まっているため、国産スポーツカーなどは人気となっています。

 とくに近年は映画「Fast&Furious」(邦題:ワイルド・スピード)に登場する日産「スカイラインGT-R」をはじめ、歴代スープラなどがバレット・ジャクソンに出品され高額で落札される機会も増えているのです。

 直近では、2021年6月にラスベガスで開催されたバレット・ジャクソンで、ワイルド・スピード1作目のストック1号車(撮影予備1号車)が、主演のポール・ウォーカーが実際に劇中で運転したこともあって日本円約6000万円で落札されたことで大きな話題を集めました。

 そのほかにどのような歴代スープラがバレット・ジャクソンに出品されていたのでしょうか。

 ●「A80(1997年式)」
 落札価格:8万8000ドル(約968万円)
 走行距離:5万8240マイル(約9万3184km)

 こちらは1997年8月に旧関東自動車工業(2012年にトヨタ自動車東日本に社名変更)で製造されたA80のタルガトップモデルです。

 2021年6月にラスベガスで開催されたオークションにて約968万円で落札されました。

「15周年モデル」の意味は諸説ありますが、もっとも有力なのは設計を一新したA60型セリカスープラ(日本では2代目セリカXXとして発売)のデビュー(1981年)から15年という説です。

「1981+15=1996では?」と思う人もいるかもしれませんが、アメリカではA60型セリカスープラが1981年夏に「1982年モデル」として販売が始まったため、1997年で15周年となります。

 なお、1997年にアメリカで販売されたスープラはすべて「15周年記念モデル」との名前がついています。

 合計1379台のうち特別色の「ディープジュエルグリーンパール塗装」のモデルは384台が販売されていますが、外装色はそのディープジュエルグリーンパールで、内装色はブラック&タンレザー。

 3リッター2JZ-GTE型直列6気筒ツインターボエンジン、ゲトラグ233(V160型)6速MTを搭載し、最高出力320hp(約324馬力)を発生。

 約968万円で落札されたこのスープラは、走行距離が9万kmを超えていますが、A80型スープラの人気を反映した高額車といえるでしょう。

 なお、アメリカでは1998年に排ガス規制が強化されたことでスープラ(ターボモデル)の販売を終了しています。

 ●「A80(1997年式)」
 落札価格:17万6000ドル(約1936万円)
 走行距離:6万9891マイル(約11万2477km)

 こちらも同じ「15周年記念仕様」のA80ですがボディはタルガではなくクーペです。

 前述のアニバーサリーエディションに比べてちょうど2倍の1936万円で落札されています。

 クーペモデルであることや、外装が非常にきれいなことなどが高値で落札された理由と考えられます。

 社外パーツとなる排気システムとローダウンスプリング以外はノーマル状態です。

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