内外装にこだわりが詰まっている? 高級車を目指したコンパクトな車5選

豪華なアイテムを装備した軽自動車と、英国生まれのミニミニ高級車とは?

●ダイハツ「コペン」

上質な4気筒エンジンを搭載し、一流のアイテムを積極的に採用した初代「コペン」

 2002年に発売された2ドアオープンクーペのダイハツ初代「コペン」は、とくに高級感を謳っていたわけではありませんが、かなりこだわったつくりのモデルでした。

 まず約20秒でルーフが後部のトランク部分に収納される「アクティブトップ」は、軽自動車初で、エンジンも64馬力を発揮する660cc直列4気筒ターボエンジンを搭載。このエンジンはダイハツの軽自動車で最後の4気筒でした。

 走りの性能でもビルシュタイン製ショックアブソーバーやLSDが装着されたモデルを設定するなど、かなり本格的です。

 さらに、数多くの特別仕様車が登場していますが、たとえば2010年に登場した「アルティメットエディションS」では、シートヒーターを装備したアルカンターラ生地のレカロ製シートか、本革製スポーツシートが選べ、ステアリングもウッドか本革のMOMO製を設定。

 足まわりもビルシュタイン製ショックアブソーバーに加え、BBS製15インチアルミホイールとするなど、一流のアイテムを装備しています。

 ただし、価格もそれなりで、205万5000円(消費税5%込)と、当時としてはかなり高額です。

 その後、2012年に初代コペンは生産を終了。2014年には現行モデルの2代目が登場しましたが、今も初代は中古車で高い人気を誇っています。

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●アストンマーティン「シグネット」

トヨタ「iQ」ベースながらしっかりと高級車に仕立てられていた「シグネット」

 ロールスロイスにベントレー、ジャガーやランドローバーなど、イギリスは数多くの高級車メーカーを輩出していますが、さらに高性能な高級車メーカーとして君臨しているのがアストンマーティンです。

 アストンマーティンのモデルというと美しいスタイルの2ドアクーペをイメージしますが、そんなモデルと大きく異なるのが2011年に登場した「シグネット」です。

 シグネットはトヨタ「iQ」をベースに、アストンマーティンが専用のパーツを手作業で組み付ける手法で生産されたモデルです。

 外観のフォルムはiQに準じていますが、伝統的な形状のフロントグリルや、ボンネットのエアインテーク、フロントフェンダーのエアアウトレットなど、アストンマーティンの特徴的なデザインが散りばめられてします。

 室内もシートや内装材に上質な本革がふんだんに使用され、さらに各部に遮音材の追加やエンジンとトランスミッションのマウントを変更することで車内の静粛性を向上するなど、細部にわたってこだわっています。

 アストンマーティンがシグネットを販売した背景には、欧州で課せられた燃費規制をクリアする目的があったためと考えられます。

 シグネットは2013年には生産を終えて短命でしたが日本にも正規輸入され、当時の新車価格は475万円(消費税8%込)からとiQの3倍近く、高級車を目指したというよりも高級車そのものでした。

※ ※ ※

 小さな高級車というと古くはバンデンプラ「プリンセス」やMG「メトロ バンデンプラ」、ルノー「5バカラ」などがあり、日本車ではトヨタ「プログレ」が広く知られています。

 しかし、こうした小さな高級車が日本でヒット作となった事例は少なく、やはり高級車は高級車らしく大きく見栄えが良いモデルが好まれるのでしょう。

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