ホンダ新型「ヴェゼル」は燃費向上!? 新HVを採用した最新SUVの実力を徹底検証!

しなやかな乗り味が新型ヴェゼルのウリ!

 ここからセクション別の燃費を振り返ってみます。

●高速道路

走行距離:64.3km
実燃費:26.8km/L

 横浜市内を出発し、横浜新道を経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通る今回のルート。平日の昼間ということもあって渋滞もなく、一定のペースで走行できる状況でした。

ホンダ新型「ヴェゼル」(e:HEV Z)
ホンダ新型「ヴェゼル」(e:HEV Z)

 ここでは法定速度付近をキープして走行し、燃費はカタログ値を超える26.8km/Lをマークしました。

 先代ヴェゼルも決してうるさいクルマではありませんでしたが、新型ヴェゼルはより一層静穏化が図られている印象で、エンジンが始動したかどうかはかなり耳を澄ませていないと気づかないレベルです。

 これなら長距離移動も少ない疲労でこなすことができそうです。

●ワインディング路

走行距離:31.0km
実燃費:16.5km/L

 ワインディング路は小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。

 登りが続くターンパイクではさすがにエンジンの力を借りることになり、ほぼエンジンがかかった状態での走行となりました。

 しかしここでもエンジン音が上手く遮断されており、かなり遠くで唸っているような印象。燃費は上りの影響があったのか16.5km/Lでした。

 それよりも印象的だったのがその乗り味です。

 ホンダの車両はスポーティなイメージを強調するためにやや硬めの味付けになっていることが多かったのですが、新型ヴェゼルは非常にしなやか、かつ粘りのある乗り味。

 クーペスタイルにマッチした味付けがされており、スポーツモデルから乗り換えても満足できるクルマに仕上がっていました。

●一般道

走行距離:47.7km
実燃費:28.7km/L

 箱根新道を下りきって国道1号を横浜市内まで走る一般道のルートですが、もともと交通量の多い国道1号なので、市街地走行に近い走行シーンとなりました。

 一般道は47.7kmを走行して28.7km/Lと予想以上の低燃費をマーク。ストップ&ゴーが続くシチュエーションであったものの、燃料消費量が増えるといわれるゼロ発進もモーターで走る設定が功を奏したのか、燃費への悪影響はほとんどなかったようです。

※ ※ ※

 新型ヴェゼルe:HEVの実燃費をチェックしてみましたが、ほぼカタログ燃費通りの数値という結果になりました。このスタイルでこの低燃費であれば不満を覚える人はいないのではないでしょうか。

 そして燃費性能よりも驚かされたのが、その乗り味です。SUVに最適化された2モーターのハイブリッドシステムe:HEVの動力性能はもちろんですが、しなやかかつ粘りのある乗り味は今までのホンダのコンパクトとは一線を画すものといえます。

 初めてその姿が公開されたときは、見た目の話題が中心となってしまった新型ヴェゼルではありますが、発売後にここまで人気車種となったのも、実際に乗ってみてその乗り味に感動した人が多かった証拠なのかもしれません。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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