日産「スカイライン」新型開発中止? 60年以上の歴史に幕? 国内向けセダンを次々廃止する訳
日産が「スカイライン」をはじめとする国内向けのセダンの次期型を開発しないという報道がありました。セダン市場が縮小するなか、国産メーカーは今後セダンをどう扱っていくのでしょうか。
日産「スカイライン」「フーガ」「シーマ」廃止でセダンが絶版?
日本経済新聞は「日産はセダンとして『スカイライン』は次期型の開発をおこなっておらず、現行型で絶版になるという」と2021年6月12日に伝えた。
日産からの公式コメントが出ていないものの、これは当然の流れだと思う。何よりスカイラインより長い歴史を持つトヨタ「クラウン」も次期モデルはセダンを止めるとされている(スカイラインは現行モデルで13代目。クラウン同15代目)。

さらにスカイラインと兄弟関係になる日産「フーガ」も次期型の開発をしていない。スカラインの競合車だったトヨタ「マークX」はすでに絶版してしまった。
なぜセダンが次々と消えていってしまうのだろうか。
それは世界的規模でのセダン離れが進行しているためだ。そもそも欧州市場は「セダン=高級車」というイメージ。プレミアムブランド以外は市場無し。
アメリカの場合、10年くらい前までセダン市場が残っていた。日本では風前の灯火状態になっていたスカイラインながら、アメリカでは日産の高級車ブランドであるインフィニティから「Q50」として販売されており、現行モデルのターゲット市場もアメリカ。むしろ「Q50を日本でも販売する」というイメージです。
フーガや最上級セダン「シーマ」だって、プラットフォームを共通するインフィニティ「Q70」のため生き延びていた格好です。
そのアメリカも5年くらい前から市場規模が急減。Q50もQ70も採算ベースに乗らないほど販売台数は落ちてしまった。
同時期のトヨタを見ると、レクサスのミドルサイズセダンである「GS」の次期型開発を凍結。スカイライン/Q50の競合モデルとなるレクサス「IS」は新規開発を止め、現行モデルの大きなマイナーチェンジで延命する方法を選んだ。
次期型スカイラインは日本とアメリカの販売状況を考えたら赤字確実です。シーマやフーガを含め、絶版を決めたんだと思う。当然の選択です。
日産はすでに日本で「シルフィ」の生産を終了しており、ついに日本市場における日産のセダンが無くなることを意味する。日産に限らず、日本で買える日本ブランドのセダンは急激に減っていくだろう。


























