もはや実用的なスポーツカー? 特別な高性能ステーションワゴン5選
欧州製ステーションワゴンのなかでもイケてる2台とは?
●アウディ「RS2アバント」
欧州では今もステーションワゴンが高い人気となっており、各メーカーからさまざまなカテゴリーのモデルがラインナップされています。
なかでもアウディはSUVと平行して数多くのステーションワゴン「アバント」シリーズを展開。なかでも「A4アバント」の前身である「80アバント」は長い歴史を刻んだモデルでした。
そして1994年には、この80アバントをベースに、アウディとポルシェがタッグを組んで開発した高性能ステーションワゴン「RS2アバント」を発売。
RSシリーズはアウディのハイパフォーマンスモデルとして現在も展開されていますが、RS2アバントはシリーズ初となる記念すべきモデルです。
エンジンは最高出力315馬力を誇る2.2リッター直列5気筒ターボを搭載し、トランスミッションは6速MTのみ。駆動方式はフルタイム4WDシステム「クワトロ」を採用しています。
外観はベースから大きく手が入れられていませんが、ポルシェ「911」をオマージュしたデザインが散りばめられており、ホイールやドアミラーなどは911(964型)と同一の形状です。
またブレンボ製ブレーキキャリパーには「PORSCHE」のロゴが刻まれるなど、ポルシェファンにはたまらないアイテムが装着されています。
RS2アバントは日本に正規輸入されず、わずかな台数が並行輸入のかたちで上陸しただけで、ごく稀に中古車市場に現れますが、日本では幻のモデルです。
●ボルボ「V60ポールスター」
ボルボのステーションワゴンといえば、今もクラシックモデルから最新までどの世代も日本で高い人気を誇っています。
現在、日本で販売されているのはフラッグシップの「V90エステート」と、美しいフォルムが印象的な「V60エステート」がありますが、このV60エステートの先代モデルには高性能な限定車として「V60ポールスター」がありました。
ポールスターはボルボのレーシング部門として1990年代後半から活躍。2017年以降は電気自動車に特化したブランドとなりましたが、かつてはボルボ車をベースにチューニングしたコンプリートカーも生産していました。
そのなかの1台がV60ポールスターで、セダンのS60ポールスターとともにポールスター社初のコンプリートカーとして2014年にデビュー。
エンジンは最高出力350馬力を誇る3リッター直列6気筒ターボを搭載し、トランスミッションはパドルシフト付きの6速ATで、0-100km/h加速は4.9、最高速度は250km/hでリミッター制御されました。
シャシまわりでは、R-DESIGNで採用しているスポーツサスペンションのスプリングレートを80%高め、専用のオーリンズ製ショックアブソーバーを装着。フロントにはブレンボ製6ピストンブレーキキャリパーが奢られ、20インチのポールスター専用ホイールと245/35R20タイヤを装備しています。
外観は専用のフロントスポイラー、リアスポイラー、リアディフューザーが装着され、スポーティなフォルムを演出するだけでなく、ダウンフォースも向上。
V60ポールスターは日本でも正規輸入され、2014年から2017年まで毎年数十台というわずかな台数が限定販売されました。
※ ※ ※
国内メーカーの現行ラインナップでスバル「レヴォーグ」とトヨタ「カローラツーリング」が、ステーションワゴンとして存在感を高めており、好調なセールスを記録しています。
ただ、かつてのような高性能モデルはなく、そのポジションは欧州車一択という状況です。
しかし、スバルは今後高性能エンジンの登場を示唆しており、カローラツーリングは2リッター自然吸気エンジンの限定車が2度販売されるなど、高性能ステーションワゴン復活の可能性はゼロではありません。
アコードワゴンはデカ過ぎるから、レガシィ同様消滅は仕方ないけど、昨年終売になったジェイドRS後期型は、MCのタイミングでネガをキチンと潰して宣伝と販売を工夫すれば、月平均500台は売れてたかも。
サイズもちょうど良かったんだけど、前期型のネガをキッチリ保存してのMCだったのがなぁ。