「ジェイド」中国先行投入のワケ 最新日本車に敏感な中国人

2015年2月にホンダが発売した新しい低床ミニバン「ジェイド」。この車は既に2014年から、中国には登場していました。なぜ先行して中国で発売されたのでしょうか。そこには成長する中国の自動車市場とその文化がありました。

縮小傾向のミニバン市場

 ホンダが新しい低床ミニバンモデル「ジェイド」を発売しました。これはセダン並みの低全高フォルムのなかに、ミニバンクラスの広さと使いやすさ、さらに上質な走りを備えるモデルを目指し開発されたもの。開発コンセプトは「マルチサプライズ」とされており、ユーザーに様々な驚きを提供できるモデルを目指したそう。6人乗りとすることで、大きくスライドさせられるようにした「Vスライドキャプテンシート」や、上級モデル専用の木目調インテリアの爽やかなキャビンなどを備えています。

 グレード構成はシンプルで、スタンダードな「ハイブリッド」と、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」などを備える上級グレードの「ハイブリッドX」の2タイプ。価格は272万円と292万円です。

 一世を風靡したミニバンですが、国内市場は縮小傾向。しかし国内だけでも300万台の保有があり、そのうち85万台は「ストリーム」や「オデッセイ」というホンダ車が占めています。それを踏まえて「ジェイド」は、ターゲットユーザーを「ステップワゴン」などが得意とするファミリー層ではなく、独身者やプレファミリーといった若者世代と子離れ層にフォーカス。つまり「家族との移動手段」としてではなく、「趣味やライフスタイルを充実させるアイテム」としてミニバンを選ぶ人たちをメインとしています。

 従来、これらの顧客たちのニーズに応えていたのは、低床ミニバンタイプの「オデッセイ」でした。しかし新型「オデッセイ」はステップアップを図り、スライドアを備えたハイトなミニバンへと進化。そこで「ジェイド」は、先代「オデッセイ」などの低床ミンバンの志を受け継ぎ、強いこだわりをもつユーザーを満足させるために、内外装、走り、静粛性など様々な角度から高い質感が追求されました。

 「ジェイド」が新しい価値を持つ低床ミニバンとして送り出された理由は、そのほかにもあります。それは「世界戦略車」としてのポジションです。このため、「ストリーム」の特徴であった5ナンバーサイズへ捕らわれずに済んだともいえます。もちろん、ボディサイズはいたずらに拡大されているわけではなく、キャビンの広さと扱いやすさのバランスを重視しています。

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