クルマの上で車中泊がブーム!? 3密避けてキャンプ気分が楽しめるルーフテントの需要倍増
新車販売店でオリジナルキャンピングカーを企画・販売する動きも加速
今回展示されていたルーフテントは、ルーフに対して直立するタワータイプや、ルーフキャリアが開いてガスダンバーによって展開するタイプ、電動で開閉するタイプ、形状が三角形のタイプなどがあり、車幅とほぼ同じ状態で設営できます。
これらは乗降するためのハシゴを含めて、駐車場1台分のスペースで使うことが可能です。
このほか、ルーフに対して横方向に広がり床面積がさらに大きくなるタイプは、駐車場スペースを約2台分使うことになります。
実際、それぞれのタイプに登ってテント内の雰囲気を体感してみましたが、外から見ているより中に入ったほうが空間を広く感じます。個人的には、ダブルサイズでゆったりと過ごしたいと思いました。
これまで多くのルーフテントを取り付け、販売してきた松本さんは「通常ルーフキャリアは2本ですが、ルーフテントの種類やクルマ側のキャリア取り付け方法によって、補強するためキャリアを弊社オリジナルで製作しています」と、本業の産業機械や工具分野でのノウハウを活かしているとのことです。
ルーフテントで気になるのは車高です。立体駐車場で入庫可能な車高は2.1mの場合が多いため、車種によってルーフテントの種類が変わる場合があります。
松本さんによると、一般的なルーフテントは収納した際の厚みが35cm前後の場合が多く、薄いタイプでは25cm前後、またキャリア部分が10cm前後とのこと。立体駐車場を利用する場合は、高さ制限を考慮してルーフテントを選ぶ必要があります。
日本でのアフターマーケットや欧州市場での一部自動車メーカーの動きは、日本の自動車メーカーに対してどのような影響があるのでしょうか。
このところ、全国各地のトヨタ正規新車販売店では「ハイエース」や「タウンエース」を使ったオリジナルキャンピングカーを企画・販売する動きが加速しています。
これら販売店のなかには、すでにルーフテントを社外品として販売しているケースもあります。
今後、ルーフテントの人気がさらに高まると、さまざまなブランドの正規新車販売店で、ルーフテントの取り扱いが増えていく可能性が考えられます。
そのうえで、自動車メーカーとしても、ルーフテントを装着した場合の車両の安全性、商品の耐久性などを総合的に評価する必要が出てくるでしょう。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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