ホンダ「ステップワゴン」の「わくわくゲート」は必要? 不要? オーナーの本音は?
わくわくゲート非装着モデルも追加!? オーナーの反響は?
便利なわくわくゲートですが、2020年の一部改良で「わくわくゲート非装着」のモデルが追加されました。
福祉車両はもともと通常のテールゲートを採用していましたが、縦開きのみのテールゲートのモデルもラインナップに加わったのです。

実際、わくわくゲートは人気がないのでしょうか。販売店スタッフやステップワゴンのオーナーに、わくわくゲートの評判や使い勝手などを聞いてみました。
ホンダ車を扱う販売店のスタッフにユーザーの反応を聞いてみました。
「わくわくゲートに対するお客さまの評判はおおむね悪くないです。大きくて重いテールゲートを開閉する必要がなく、手軽に第3のドアとして乗り降りに使用される方もいらっしゃいます」
電動開閉式テールゲートを装備しているミニバンもありますが、開閉まで時間がかかるのと後方に1m前後の広いスペースが必要です。
その点わくわくゲートであれば40cmから64cmと半分程度のスペースでラゲッジスペースにアクセスできるので、大きなメリットと捉えている人が多いようです。
「とくにかんたんな操作で床下収納できる『マジックシート』との組み合わせは、既存のミニバンにはなかった画期的なアイデアだと思います。
常に3列目シートを収納して自転車を積載されるお客さまもいらっしゃいます。そんなときでもサブドアで楽にアクセスできると喜ばれています」(販売店スタッフ)
しかし、ステップワゴンオーナーの全員が納得しているのかといえばそういうわけでもないようです。あえてわくわくゲート非装着車を購入したオーナーに、その理由を聞いてみました。
「バックミラーにピラーが映り込むのと、左右非対称に見えるデザインが苦手だったようで、ときどき運転する妻の判断でわくわくゲート搭載車は却下されてしまいました」
ヒンジ部分がリアウインドウを分割していることから後方視界に若干の違和感が生じることや、リアが左右非対称なデザインが女性ユーザーにはイマイチ不評とされているようです。
ほかにも「バンパーまで分割されるので強度に不安がある」や「構造が複雑なので、万が一ぶつけたときの修理代金が高くなりそう」との意見もありましたが、わくわくゲート部分の強度にも配慮しており、低速であれば後ろから追突されても壊れることはほとんどないとされています。
また、販売店のスタッフいわく、男性ユーザーやアウトドアを趣味とする人はわくわくゲートを愛用している率が高いといいます。
「テールゲートを全開しなくてもゴルフバッグなどを取り出せるとあって、男性のお客さまはかなり重宝されているそうです。また低床フラットフロアの恩恵もあってわくわくゲートからの地上高もそれほど高くなく(開口部の地上高は445mm)、積み下ろしも楽なのも好評をいただいております。
ただ、やはりヒンジ部分のピラーがバックミラー越しに見えるのはなかなか慣れないお客さまもいらっしゃいます。便利なアイデア装備ではありますが、最後にお客さまの判断で非装着モデルを選ばれる方もそれなりにいらっしゃいます。
ただせっかくステップワゴンを選んでいただくのであれば、ぜひわくわくゲートも使ってみてほしいですね」
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あえて非装着を選んだオーナーには、わくわくゲートの便利さより見た目の奇抜さを敬遠する傾向があるといいます。
わくわくゲートに魅力を感じなければステップワゴン自体がユーザーの選択肢から外れてしまうため、非装着グレードの追加も必要だったのでしょう。
その一方、次期ステップワゴンではわくわくゲートが廃止されるとの噂も出ており、わくわくゲートを愛用しているオーナーのなかには「廃止されるなら次期ステップワゴンの購入は検討しない」という人もいるようです。
使ってみると非常に便利な装備なので次期モデルでも継続してほしいと願うものの、複雑な機構などを考えると難しいのかもしれません。
次期ステップワゴンがわくわくゲート以上の魅力的な機能を搭載してくるのか、楽しみに待ちたいと思います。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。
































