ジャガーが2025年に「フルEV化」の衝撃 急変化に適応できる?「お客さま第一主義」の内容は
ジャガーが実践する「お客さま第一主義」とは
そうしたなか、ジャガーランドローバージャパンは期間限定のポップアップショールームを東京の南青山にオープンさせ、「FOR 2025」をテーマに完全EV化に向けてユーザーが実感することができるスペースを設けました(2021年5月22日から5月30日)。
オープン初日に現地を取材してみると、施設は地下鉄表参道駅から徒歩10分弱で、根津美術館の並びにありました。
1階には、日本初公開の「E-PACE PHEV」が展示されています。バッテリー容量は15kWhで価格は993万4000円(消費税込)。日本導入車は2021年秋からで限定20台となります。2階には、お洒落な雰囲気の中で無料の飲み物を提供するスペースもありました。
ジャガーランドローバージャパンの関係者と簡単な意見交換をしたところ、今回のEVシフトに向けて「お客さま第一主義」を徹底すると強調しました。
具体的には、全国の販売店での営業職としてすでに配備しているEVスペシャリストを現在の47人から100人体制とし、充電設備に対して積極的に投資するなどして、EVシフトに対しての顧客対応を強化するといいます。
筆者の感覚としては、既存のジャガーユーザーにとっては、電動化については欧州ブランドの多くが進めている、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、そしてEVという緩やかな電動化を想像していた人も少なくないと思います。
そのため、これから3年半でカタログモデルがすべてピュアEVとなることで、ジャガーランドローバージャパンは既存ユーザーに対して、極めて丁寧な説明が必要になると考えます。
一部報道にあるように、ジャガーランドローバー本社では、ラグジュアリーセダン「XJ」のピュアEV量産計画を中止したとも伝えられています。
2025年のピュアEV化については、現在の「I-PACE」を中核としたクロスオーバーSUVがモデルの主流になるのか、それとも、ジャガーの伝統的デザインを踏襲するまったく新しい発想のEVモデルが一気に登場するのか。
今後のジャガーの動きを注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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