「カッコ良い方が残る?」 トヨタ次期型アルヴェル&ノア3兄弟はどうなる? 統合・廃止で揺れる人気ミニバン

ミニバン市場で好調なトヨタ「アルファード」と低迷している姉妹車の「ヴェルファイア」ですが、販売台数で大きな差が付いた要因や、次期型モデルはどうなるのでしょうか。

カッコイイほうが残る!? 次期型アルヴェル&ノア3兄弟はどうなる?

 2020年の年間&年度でミニバンNo.1となったトヨタ「アルファード」。人気が高いモデルだが、姉妹車となる「ヴェルファイア」も存在。
 
 そのアルファード/ヴェルファイアの販売台数には大きな差がある。何が原因なのか。

8倍もの販売差が付いたトヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」
8倍もの販売差が付いたトヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」

 超人気車であるアルファード/ヴェルファイアが遠からずフルモデルチェンジすると思われる。

 直近の販売台数を見ると10対1となり、圧倒的にアルファードの勝ち。

 下取り価格までアルファードのほうが高い状況になっています。となると難しいのは新型モデルでのアルファードとヴェルファイアの位置づけです。果たしてどういうコンセプトになるのだろうか。

 今までも「デザインはクルマの売れ行きに影響を与える」といわれてきたけれど、証明が出来なかった。

 私(国沢光宏)のような立場でデザインの批評をすると「人によって好みが違う」といわれたり「人のクルマの悪口を書くな」などと怒る人も多い。

 確かにデザインの好みは千差万別。お金持ちなら自分で気に入ったクルマを選べばいいと思う。

 ただ私のように「お金も無いのにいろんなクルマに乗りたい」ようなクルマ好きからすれば、下取り価格も気になる。

 不人気車は中古車価格が低くなるため、下取りも悪くなってしまう。新車で400万円のクルマだったとしよう。

 5年後の下取り価格が人気車だと280万円。不人気車は150万円というケースだって珍しくない。

 もちろん「それでも自分の好みを通す」という人もいるだろうし、それでいいと思う。

 でも同じような機能のクルマなのに5年間で130万円も価格差付いたら厳しい。

 手放さなければいい、と考えるだろうけれど、不人気車の中古車だって多い。

 損してる人が少なくないということです。ということでアルファードとヴェルファイアはどうなのか。

 先代モデルは、アルファードが地味でヴェルファイア派手。価格も性能もほとんど同じで、フロントのデザイン違うだけだが、売れ行きは圧倒的にヴェルファイアでした。

 明らかにデザインで売れ行きが決まったと思うのだけれど、なかには「車名のカッコ良さでしょ」と主張する人も居た。こういった悔し紛れのいい訳を聞く人もいるため決着付かず。

 現行モデルになりアルファードが派手になりヴェルファイアは地味に。するとアルファード人気になる。

 変わらず価格&装備はほとんど同じ。今度こそデザインで売れ行きが決まるという証明になった。

 しかも、2020年5月にトヨタは全店舗で全車種を併売(以下、全店扱い)できるようになり、一部東京地区などでは販売チャネルの統合化もおこなった。

 どのディーラーもアルファードとヴェルファイアを扱えるようになったから面白い。

 全店扱い前は、アルファードを扱えないネッツ店が一生懸命ヴェルファイアを売っており、2019年4月の販売台数など見るとアルファードが5821台に対しヴェルファイアが3095台でした。

 けれどネッツ店もアルファードを売れるようなるや、地滑り的な変化が起きる。

 全店扱い後から約1年となる2021年4月の販売台数はアルファードが7576台に対し、ヴェルファイアはたった770台。

 同じようなことがミドルサイズミニバンの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」の3兄弟にもいえる。

 この3兄弟では、エスクァイアのデザインだけ厳しい評価を受け、全店扱いになるや激しく失速。

 実際、エスクァアイアのデザインってやり過ぎ感が強い。見た瞬間「そこまでやるか!」。ユーザーの期待値や好みを斜め45度で飛び越していってしまったと思う。

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