タイヤ周辺の黒いパーツはなぜ増えた? 「フェンダーモール」強調するクルマが増加する背景とは
最近の新型車では、タイヤの周辺に黒い樹脂製パーツが装着されているモデルを見かける機会が増えています。その樹脂製パーツは「フェンダーモール」といいますが、なぜ最近ではフェンダーモールを強調するクルマが増えているのでしょうか。
フェンダーモールを装着した車種が増えている?
最近、樹脂製のフェンダーモールを強調したクルマを見かける機会が増えています。
フェンダーモールを強調するクルマが増えているのには、どんな理由があるのでしょうか。
フェンダーモールとは、タイヤを覆うフェンダー部分に装着する樹脂製パーツを指します。
フェンダーモールにはクルマのボディに傷や汚れがつくことを防ぐ役割がありますが、車種によっては樹脂製パーツではなく、デカールや塗装で色分けしてモール風に仕立てている場合もあります。
現在販売されている国産車のなかで、フェンダーモールを強調しているモデルとしては、トヨタ「ヤリスクロス」「RAV4」、レクサス「UX」、日産「キックス」「エクストレイル」。
スバル「XV」「フォレスター」、スズキ「クロスビー」「ジムニーシエラ」、ダイハツ「タフト」といったSUVが挙げられます。
さらに、マツダのSUVラインナップはフェンダーモールを強調しているモデルが多く、「CX-30」や「MX-30」はとくに強調されています。
そのほか、ホンダ「フィット クロスター」やトヨタ「アクア クロスオーバー」などは、標準車にフェンダーモールを追加することでSUVテイストを盛り込みました。
フェンダーモールが装着されたデザインについて、トヨタの販売店スタッフは、次のように話します。
「フェンダーモールのような張り出しのあるデザインはSUVに多く、トヨタではとくにヤリスクロスが人気です。機能性はもちろん、個性的で躍動感のあるデザインが支持されています」
また、オフロード系カスタムパーツを展開するショップでは次のように説明しています。
「最近は、アウトドアブームに加えて昔のRVのようなゴツゴツしたデザインを好む人が増えていると思います。
そうした背景もあり、新車でもアウトドア&オフロードのテイストを盛り込んだデザインになっているのです。
また、最近ではそれらに加えて仕様をもっと本格的な見た目に仕上げたいという要望も多くなっており、アースカラー塗装やゴツゴツした加飾パーツ、ライト類、ホイールやオフロードタイヤなどを装着したいという依頼もあります。
新車時や購入後のカスタムにおいて、アウトドア&オフロードは一種のブームとなっているといえます」
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最近では、新車時の標準ラインナップに加えて特別仕様車としてアウトドア&オフロードのイメージを付与したモデルが登場することも少なくありません。
そうした背景のひとつとして、フェンダーモールを強調するモデルが多く見受けられるようになったのだといえそうです。
本当にモールをつけているのであれば、実用の面でもありでしょう。
というのは、降雪地で消雪用に、融雪剤を道路に撒ているのですが、タイヤハウス付近に融雪剤が付着すると、そこから錆が起きるのです。
車の下部は、さび止めを塗って対処する人が多いのですけれど、タイヤハウスについては、雪が付着して、雪を取ろうとして、キズをつけて、そこから錆が起きることが多いのです。
モールがあれば、さびから防護できるようですし、さびがあっても、隠れる形になるので、実用性はあるでしょう。単なる飾りだとは言えないです。