なぜ日産はワゴンから撤退? ノートやセレナじゃ代わりにならない現状とは

日産ディーラーではワゴンユーザーのつなぎ止めに苦慮

 一方、日産車を販売するディーラーに話を聞くと違った側面が見えてきました。

「現在、ステーションワゴンにお乗りのお客さまに乗り換えの提案をするとき、ニーズにマッチした車種を提案できない点は辛いところです。

 ウイングロードのお客さまには『ノート』を提案させていただいていますが、やはりどうしても荷室が短い点がネックになってしまいます。

 ミドルクラスやラージクラスのワゴンをお使いのお客さまには、以前は『ラフェスタ』などを提案していましたが、ラフェスタも消滅してしまいました。

『セレナ』などのミニバンを提案していますが、こちらも正直難しいところです」

2018年に生産終了した「ウイングロード」以降、日産はワゴンをラインナップしていない
2018年に生産終了した「ウイングロード」以降、日産はワゴンをラインナップしていない

 日産ディーラーではステーションワゴンにこだわりのあるユーザーへの提案に苦労していることが分かりました。

 また、ユーザーのなかには他メーカーに乗り換えてしまった人や、中古の輸入ステーションワゴンを購入した人もいるそうで、ディーラーは顧客の繋ぎ止めに苦慮している様子がうかがえます。

 ステーションワゴンのラインナップがないという点は、販売現場には少なからず影響を及ぼしているようです。

※ ※ ※

 現在はクロスオーバーSUV人気に押され気味のステーションワゴンではありますが、セダン並みの走り味と広い荷室を併せ持つという魅力はまだまだ色あせるものではありません。

 いつの日か、また日産のステーションワゴンが登場する日を期待したいところです。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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