個性的すぎて売れなかった? 記録より記憶に残る珍SUV3選
アグレッシブなデザインの都会派クロカン車とは?
●日産「ミストラル」

前述のとおり、日本では1990年代の初頭にRVブームが起こりました。「RV」はレクリエーショナル・ビークルの略で、クロカン車やステーションワゴン、ミニバンが該当します。
なかでもクロカン車は今のSUV人気以上に大ヒットし、各メーカーが次々とクロカン車を発売したほどです。
そうした背景から日産は「サファリ」「ダットサントラック」「テラノ」を展開して、どれもヒットを記録。次の一手として1994年に発売されたのが「ミストラル」です。
ミストラルは欧州向けに開発されたクロカン車で、スペイン工場で生産されて日本では輸入車として販売。
車体の構成はテラノと同じく9代目ダットサントラックのラダーフレームに、ボディを架装しています。バリエーションは当初ロングボディ3列シートの4ドアのみの設定でしたが、後に2ドアのショートボディが追加されました。
外観は質実剛健な印象のテラノに対して都会的なデザインで、足まわりのセッティングも欧州での使用を考慮してオンロード走行を重視するなど、直進安定性や乗り心地の良さを追求したコンセプトです。
国内仕様は2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルターボエンジンと4速ATの組み合わせのみと、やはり悪路走破性よりもイージードライブに特化していました。
1997年のマイナーチェンジではフロントフェイスが一新され、よりアグレッシブなデザインを採用。しかし、テラノのシンプルなデザインの方が好評だったためか人気とならず、さらにRVブームが終焉を迎えたこともあり、ミストラルは1999年に一代限りで生産を終了しました。
※ ※ ※
今回紹介した3車種は、どれも海外市場をメインに開発されたモデルです。
現在、国内市場で販売されているモデルはグローバルで販売するのが当然のようになっていますが、この3車種の場合は国内のニーズや使い勝手を考慮したというよりも、「海外用につくったけどせっかくだから日本でも販売しよう」というような意図が感じられます。
しかし、むしろそれが個性的な印象を醸しているのかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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