ベントレーはエンジンも持続可能! パイクスピークをバイオ燃料で挑戦する理由とは
パイクスピークでトップを狙う「コンチネンタルGT3」の仕様とは
ベントレーのパイクスピークプロジェクトは、英国のコンチネンタルGT3のカスタマーチームである「FASTR」と共同でおこなわれている。FASTRはベントレーのレースカーで、英国内の様々なタイムアタック競技で成功を重ねているチームだ。
コンチネンタルGT3パッケージの最大のパフォーマンスを引き出すため、ベントレーとFASTRのテクニカルチームはカンブリア州の「M-スポーツ」と協力しており、「K-PAXレーシング」の援助を受け、このチームでパイクスピークにチャレンジする。
記録を更新するためには、156のコーナーを含む高低差約5000フィート(約1500m)のコースを平均78mph(約126km/h)以上の速度で登り、9分36秒以内にフィニッシュラインを通過しなければならない。
このチャレンジングな目標を達成するため、パイクスピークで3度の優勝経験を持ち、クラス別の記録を保持する元「キング・オブ・ザ・マウンテン」のリース・ミレン(ニュージーランド)に再び協力を依頼。
ベントレーは2018年の「ベンテイガW12」による市販SUV部門での優勝、2019年の「コンチネンタルGT」による市販車部門での優勝と、過去に2度の部門別優勝を果たしているが、いずれもミレンとともに成し遂げた経緯がある。
●ベントレー史上もっとも過激なロードカーベースの1台
パイクスピークのコースは、海抜9300フィート(約2800m)からスタートし1万4100フィート(約4300m)までのヒルクライムとなるが、頂上では空気の密度が平均海面と比べ3分の1となる。この環境に合わせるため、コンチネンタルGT3パイクスピークは、エアロダイナミクスパッケージとエンジンに関し、コンチネンタルGTにおいてだけでなくベントレーのロードカー史上もっともエクストリームな仕様となった。
トランスアクスルギアボックスを取り囲む高性能のリアディフューザーの上には、ベントレー史上もっとも大きなリアウイングが取り付けられた。リアのエアロダイナミクスパッケージは、フロントのふたつのプレーンスプリッターでバランスを取り、その横にはそれぞれにダイブプレーンが備えられている。
エンジンは実績のあるレーシングパワーユニットで、「コンチネンタルGT V8」に搭載されている4リッターV型8気筒ターボをベースに開発されている。
エンジンの改良に加え、厳選されたバイオ燃料を利用することで、空気密度の低い環境においても素晴らしい馬力を発揮することが可能となった。また、短いサイドエキゾーストは、ドラマチックなサウンドを奏でる。
さらに、冷却用のエアスクープがリアウインドウに設置され、リース・ミレンがセクタータイムを確認できるよう、ストップウォッチがステアリングホイール横のロールケージに取り付けられている。
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コンチネンタルGT3パイクスピークは、これからメインのテスト・開発段階に入る予定だ。初めは英国内においてテストをおこない、その後は高地テストのため米国へ送られることになっている。
ベントレーでは、2021年6月27日に開催される第99回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに向けて、今後は5月に進捗をアップデートする予定であるという。VAGUEでは、コンチネンタルGT3パイクスピークの技術的な情報を入手次第、伝えていく予定だ。
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