タイヤの刻印「M+S」ってどんな意味? トヨタ「ランクル」などSUVに純正装着されるワケ
M+Sタイヤがほぼ全車に新車装着される地域とは?
そんなM+Sタイヤを新車装着する車種は日本では少数派ですが、ほぼすべての新車に装着される地域もあります。それはアメリカ合衆国です。
アメリカではSUVのみならずセダンやクーペ(一部の超高性能モデルを除く)でも新車装着タイヤやM+S規格のものが一般的。その理由は、基本的に冬でもスタッドレスなどのウインタータイヤに履き替えることなくクルマを使えるからです。
アメリカは日本よりも除雪が徹底される傾向にあり、タイヤに日本ほどの雪道性能は求められません。また、気候の違いから道路が凍結するケースも少ないのです。
だからスタッドレスタイヤは必要とせず、1年を通じて履きっぱなしにできるM+Sタイヤを多くの車種で新車装着しているのです。
アメリカでも山岳地域など降雪量が多く路面が凍結することもある地域ではスタッドレスタイヤなどに履き替える人がいるものの、そういった地域を除けば多くの人が冬でもM+Sで走っています。
ときどき大寒波などを伝えるアメリカのニュース映像で、クルマが路面凍結した坂道などをゆっくりと滑り落ちていくシーンを見ますが、あれは凍結路面ではほぼグリップしないM+Sタイヤゆえの現象といっていいでしょう。
日本では一部の仕様が悪路走破性を高めたり、キャラクターを強調するために選ぶM+Sタイヤですが、北米では多くの新車が標準装着するなど、地域によってそのポジションに違いがあるのが興味深いところです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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