トヨタ「ハイエース」がラリーで下馬評を覆す激走を披露! 開発者も「衝撃」

走行動画を見た開発者が「衝撃的な映像」とコメント

 そんな状況で迎えた1本目の全開走行区間、走り始めたら、やはり普通のラリーカーとずいぶん違う感じ。

 荷物を積んでいないため極端に前輪荷重。ブレーキングすると前後の荷重配分は前が90%。後ろ10%くらいになってしまう。登りのコーナーでは内側輪がほとんど離陸しているらしく、挙動がフワフワした感じ。

 はたまた下りのコーナーでは少し無理したら転倒しそう。正直「こらダメか?」。当然ながら全くペースは上がらない。

 ところが同じハイエースで出場している喜多見さん(ハイエースのラリー車を開発したエンジニアでもあります)、4kmという短いSS(スペシャルステージ)で私より12秒も速いタイムで走っている! こうなるとスイッチ入っちゃいます。

「他人が出来るなら自分も出来るという困った性格」といい換えてもよい。3本目のSS(1本目のSSをもう1度走る)あたりから徐々にハイエースの特性も解ってきた。

 それじゃ徐々に攻めていきましょう、とアタックしてみたら、何と1本目より12.5秒も速くなった! こうなれば調子に乗る。SS4以降も20秒近いタイムアップ! 何より楽しく走れるようになってきた。

 もちろん課題は山積といってよい。商用車スペックの5速ミッションのため、1速ギアはスタート用で使えない。2速は発進用のギアに近いため、すぐレッドゾーン。3速が素晴らしく離れているから、2速から3速にシフトアップすると失速したんじゃないかと思うくらい加速しない。

 一方、コーナーは相当イケることが判明。前輪荷重になりすぎないようブレーキングし、コーナーもジンワリ横Gを掛けていくと限界がしっかり解る。

全日本ラリーに出走した国沢光宏氏の運転するハイエース
全日本ラリーに出走した国沢光宏氏の運転するハイエース

 クルマ全体の挙動も穏やか。ラリー車が使っている『CAST』製サスペンションの仕上がりの良さなんだと思う。気がつけば普通のラリーカーの如く狭い林道でフルアタックしてました。

 肝心のタイムなのだけれど、総合的に評価すればJN-6クラスに届かない。それでもSS9などは5台出場しているJN-6クラスの3番手タイムを出した! このくらいの順位ですべてのSSを走れたら、全日本ラリーに出ても怒られないだろう。

 ミッションの改良など、やるべきことはたくさんある。道が鍛えてくれる。まだ速くなります。

 何より興味深かったのはハイエースの開発チームの声。

 ハイエースで全日本ラリーに出るという記事を見て連絡くれたのだけれど、動画を見て「走行シーンに関しましては、私の想像をはるかに超える衝撃的な映像でしたので、一瞬何が起きているのかを理解するのに相当な時間を要しました」(笑)。

 かくなる上は世界最速の配達車を目指したいと思う。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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