超新型「オービス」導入か 阪神高速で目撃多数! 「半固定式移動オービス」の正体とは

2021年3月以降にまったく新しい移動式オービスの目撃例が阪神高速にて多発しています。従来のオービスは、固定式と移動式の2種類となっていますが、新たに目撃された「半固定式移動オービス」は両方のメリットを併せ持っているといいます。どのようなオービスなのでしょうか。

阪神高速神戸線に設置されたナゾの金属箱

 最近、移動式(可搬式)オービスは急速な勢いで普及が進んでいますが、2021年3月以降にまったく新しい移動式オービスの目撃例が阪神高速にて多発しています。この「まったく新しい」とは、どのようなタイプのオービスなのでしょうか。

阪神高速で目撃された謎の金属箱は新たなオービス?(写真:伊崎ユタカ)
阪神高速で目撃された謎の金属箱は新たなオービス?(写真:伊崎ユタカ)

 速度違反自動取締装置(通称:オービス)には大きく分けて固定式と移動式の2種類があります。

 固定式は高速道路や自動車専用道路、幹線道路に設置されることが多いのですが、かなり大がかりな装置となり、一度設置したらその場所で数十年は運用されるのが一般的です。

 警察官による取締まりではないので手間はかかりませんが、その分、ドライバーに場所を覚えられてしまうというデメリットがあります。

 これに対して移動式オービスは、2016年から全国で普及が始まっているタイプの取締り装置で、通称「ネズミ捕り」式の装備と同様の大きさでありながら、違反車両を自動的にカメラで撮影し、その写真と違反を知らせる書類が車両が登録されている住所に送られてくるというものです。

 場所を頻繁に変えながら少ない人数で、狭い場所でも取締りができるという大きなメリットがあります。

 そんななか、前述のとおり、3月以降にまったく新しいタイプの移動オービスの目撃例が相次いでいるのです。

 全国のオービス設置や取締りに関する情報をリアルタイムに配信するアプリ「オービスガイド」に以下の目撃情報が寄せられたことが始まりです。

「阪神高速神戸線の非常駐車帯に見慣れない金属箱が設置してあった。『監視カメラ作動中』というプレートが貼り付けられていた」

 この目撃情報について、オービスガイドを主宰する有限会社パソヤの大須賀克巳氏によると、

「私は日本全国にあるすべてのオービスを現地で調査してきましたが、この形は初めて見ます。

 当初、高速道路の管理会社などが設置した機器か何かと思っていましたが、『監視カメラ作動中』のプレートというものが気になりました。

 送られてきた写真に写っている機器を見てみると金属カバーの取り付け方や角の処理、開閉レバーの形状、金網や吊り下げ金具など、オービス製造会社であるTKK社の製品に見られる特徴が随所に出ていました。

 金網に窓がありますが、ここにカメラや計測器、ストロボなどが付くのかもしれません」

 設置されている場所は、阪神高速神戸線東行きの大阪に近い場所ですが、このあたりは頻繁に「自動速度取締り実施中」の掲示が出てきます。

 神戸線東行きを大阪市内方面へ向かって走ると、大和田出口を通過して少し走ったところに、以前からある古いタイプのレーダー式オービスがあり、その直後の非常駐車帯に「半固定式」オービスの土台が設置されていることが確認できました。

 前出の大須賀氏は、「半固定式」の意味を以下のように話してくれました。

「著名な交通ジャーナリストが書いた記事のことを思い出しました。

 その新しいオービスというのはあらかじめ電源部や回線部などの基礎を路肩などに設置しておき、そこに比較的コンパクトなオービス本体を載せて取締りをおこなうものです。

 特徴として電源などのベース部分は数か所設置しておき、定期的にカメラ部分含むオービス本体を移動させていくようです。確かにこれは画期的です。

 阪神高速に設置してある従来の固定式オービスが老朽化していることもあり、世代交代を行う観点からも半固定式は有効でしょう。

 例えば、半固定式オービスの本体が1台しかなかったとしても、阪神高速内に土台が設置してある場所が20か所あるとすれば、ドライバーは『取締りをやっているかもしれない』と思い、その20か所すべてで速度を落として走行するでしょう」

※ ※ ※

 新しい半固定式オービスは、いわば、固定式と移動式の「いいとこどり」をした取締り装置だといえそうです。

 実際、ベースは金属の大きな箱でもあり、その手前には「速度取締り」の警告看板が多数設置されているので、比較的わかりやすいといえますが、実際にその金属箱のなかにオービス本体がセットされて取締りがおこなわれているのかどうかはかなりわかりにくいのです。

 そこで、念のため多くのドライバーは速度を落として走るわけで、結果的に安全な交通環境につながると期待できます。

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8件のコメント

  1. そんな事に時間と経費を費やすなら自動運転の技術革新に費やして欲しい。
    何処かの利権の為では無く全ての自動車関連の為になる事に尽力して欲しい。

  2. 暇で無能な雑用係りレベルの税金泥棒交通課らしい取り締まりだね。

  3. 運転中にスマホ見てるとか停止しない、信号無視やシートベルトをしないのをもっと取締ないのか?
    逆に交通を円滑に流していない、遅すぎも取締って欲しい。
    車速が速いからといって事故が多い訳でもない。

  4. >念のため多くのドライバーは速度を落として走るわけで、結果的に安全な交通環境につながると期待できます…
    警察側からしてみればそういう主張になるだろうね、
    一方で裏返してみれば、
    多くのドライバーが取り締まりを過度に警戒してオドオドした走りになり交通の乱れが起こり
    渋滞や追突事故を生み出す要因になりそうな危険性を生む様に思うけど、
    警察内部だけでの運用実績検証では、
    そう言った関連してそうな事故等が付近で起こったとしても因果関係無しと隠蔽しそう、
    第三者的立場からの検証が必要じゃないかな。
    生き苦しい監視社会にならぬ様に正しい運用とは何かを考えちゃんと見て行かないとね。

  5. やる気あんならとっとと道交法改正してるよ。

    どうでもいい事は本当に早い。
    本当に、下級庶民から毟り取るの好きだねぇ

  6. 市民の税金で市民を監視する胸くそ悪いシステムかよ
    しかも韓国で普及してるこけおどし方式を導入したのか
    放っておくと1キロ間隔で1台設置されるようになるだろ

  7. 日本は本質を見失っている気がします。
    交通事故を防止するためであって、捕まえるためではありません。
    海外ではこの先、取締り用のカメラありと標識が立っています。
    交通事故を防ぐための運用を願うばかりです。

  8. 首都高を高速道路と勘違いして、危険予測もできない下手くそなのにスピード出してるドライバーが多いので、東京にも導入してほしい。

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