なぜ中古車は季節によって売れ筋モデルが変化する? 春に中古車市場が活性化する理由とは
春は自動車市場が活性化して中古車の流通量が増えるタイミング
これから春を迎えるにあたり、どのようなジャンルが売れるのでしょうか。
「春は中古車の流通量が増えます。また販売業者が売れ筋を見込んで仕入れるタイミングでもありますので、冬のあいだにあまり売れなかったセダンやスポーツカーなども市場に出回るようになります」(中古車販売店オーナーN氏)
ちなみに、「春だから」という理由で売れるクルマやジャンルはあまりないようです。それよりも冬に売れなかったジャンルも注文が入るようになるというのが実情のようです。
では、春に中古車市場が活発化するのはなぜなのでしょうか。
「やはり、3月が年度末ということが大きいでしょう。新車の販売店も決算期なので少しでも多く売りたいということでセールスにも力が入り、買い替え需要が増え、下取りのクルマが中古車市場に流れる結果、中古車のタマ数が増えるのです」(中古車販売店オーナーN氏)
以前ほどではないにせよ、やはり年度末の決算セールを見込んで新車を買い替える人は一定数いるそうです。また新規でクルマを購入する人が多いのも春の特徴のひとつだといいます。
「免許を取得したばかりや引っ越しなどで生活環境が変わった人が、クルマを購入するケースもあります。その場合はコンパクトカーや扱いやすいセダンなどを購入することが多いようです」(中古車販売店オーナーN氏)
中古車は市場での需要や人気によって価格が変動しやすい特徴がありますが、春は中古車市場が全体的に売れ行きも良くなります。
別の販売業者に聞いたところ、業務用のトラックやバン、軽トラなどの商用車も、春になるとかなり人気が高いジャンルだといいます。
新規の仕事を始めるにあたって車両を増やす企業が中古車を選ぶことも増えています。たとえばパワーリフト付きのトラックなどは市場にあまり出回らないため、少々値が張っても売れるようです。
さらに軽トラなどは、最近増えているデリバリーやテイクアウトに使用するクルマとして需要が増えています。
スポーツカーや高級車の中古車は、とくによく売れる時期などあるのでしょうか。
「スポーツカーはもともとの流通量が少ないので、季節による大きな変化はないと思います。それよりも、最近はBMWの『Mモデル』やアウディの『RSモデル』『メルセデスAMG』といった、メーカー純正ハイスペックモデルの問い合わせが増えています。
純粋な2ドアのスポーツカーより高い実用性とハイパワーを組み合わせたモデルは、高額な新車価格と比較して、中古車ならお得感もあって人気です。
また、高級セダンは、国産より輸入車のほうが売れています。新車では手が出せなかったので中古で購入されるケースです。
ただし中古車の場合、新車で買ったときよりも修理代が高くなりやすいため、そのあたりの予算も確保してから購入したほうがいいとお話しさせてもらっています」(中古車販売店オーナーN氏)
そしてやはりSUVは、新車市場と同じく中古車市場でも人気が高いようです。
「国産SUVはかなり出入りが激しいです。また最近は国産SUVからひと昔前のジープに乗り換える人もいらっしゃいますし、下取りしたSUVがそのまま売れてしまうケースもあります。その場合はクリーンディーゼル搭載車の人気が高いです」(中古車販売店オーナーN氏)
※ ※ ※
中古車を安く購入したいなら、そのクルマが活躍するハイシーズンを迎える前、またはシーズンが過ぎてしまったころをあえて狙う方法もあります。
また、人気車種を狙っている場合、少し値段が高くてもできるだけ高年式で状態の良い車両を選ぶと、後々のメンテ費用も安く済ませられる可能性があるようです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。