ロングセラーは名車の証!? ずっとモデルチェンジしてないご長寿モデル5選

ミニバン界のロングセラーモデルとは?

●ホンダ「オデッセイ」

 1980年代後半から1990年代前半のホンダは、当時大ブームだったF1での圧倒的な強さと高回転ハイパワーVTECエンジンの投入もあり、スポーティで都会的なスペシャリティ路線に強いメーカーでした。

 しかしその後のRV(レジャーヴィークル)ブームやさらにその後やってきたミニバンブームにも乗り遅れていましたが、そんななか起死回生を狙うミニバンとして1994年に初代「オデッセイ」が登場しました。

ホンダ「オデッセイ」(5代目)
ホンダ「オデッセイ」(5代目)

 それまでのワンボックスベースから派生したライバル車と違い、オデッセイは「アコード」のプラットフォームを採用。

 セダンベースであったためにスライドドアが採用できなかったのですが、それが逆に「低床」「低重心」をウリにした、新ジャンルの低ルーフミニバンとして大ヒットとなりました。

 低ルーフミニバンのパイオニアが大きく転換したのが、2013年から現在まで販売されている5代目で、一番大きく変わったことはスライドドアの採用です。

 それまではセダンと同じ感覚にこだわってきたオデッセイですが、使い勝手の良いスライドドアを搭載し、超低床プラットフォームと組み合わせた広い車内空間を持つミニバンへと進化しました。

 そして2020年には2度目となる大規模なマイナーチェンジを実施し、フルモデルチェンジ並みに外装デザインを変更しています。

 とくにフロントまわりはボンネットの位置が上がって全体的な厚みがアップ。最新トレンドの薄めのヘッドライトを採用するなど、迫力と精悍さがプラスされました。

 ボディサイズは全長4855mm×全幅1820mm×全高1695mm(アブソルートEX)。2リッターガソリンと2.4リッターハイブリッドをラインナップしています。

 オデッセイのハイブリッドは、現在のホンダでもっとも進化した2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を採用。

 安全面では予防安全システム「ホンダセンシング」を全車標準搭載し、ロングセラーといえども最新の装備の数々が取り入れられました。

●三菱「デリカ D:5」

 現在の三菱は、ルノー&日産と提携してプラットフォームの共通化などを進めていますが、それでも頑なに守っているアイデンティティがあります。それはタフなオフロード性能です。

 1980年代に登場し大ヒットした本格四駆「パジェロ」のイメージを継承し、オフロード走行が可能な車高や強靭な4WD機構を採用したミニバンとして、独自路線を突き進んでいるのが「デリカ D:5」です。

 現行モデルは2007年にデビューした超ロングセラーですが、2019年にビッグマイナーチェンジを受けて、現在の三菱顔である「ダイナミックシールド」を採用してダイナミックなスタイルに刷新されました。

 ワンボックスを連想させる直線基調のボディは、全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mmと車高の高さが目を引き、さらにクロカンの強靭な足腰を組み合わせたSUVのような高めの最低地上高(185mm)も特徴です。

 デビュー当初は2.4リッターガソリンエンジンやFFモデルなども販売されていましたが、現在はガソリン車が廃止され、2.2リッタークリーンディーゼルターボエンジン&4WDのみというパワートレインになっています。

 SUVのような本格的なオフロード走行性能を持つミニバンは直接的なライバルがおらず、とくにアウトドア好きのファミリー層からデリカD:5が支持されているのも納得です。

 快適さや便利さ、燃費だけならほかのミニバンがありますが、そういった部分よりも、どんな道でも走れるという頼もしさがデリカ D:5最大の魅力だといえます。

※ ※ ※

 10年以上経過してもなお魅力的ということは、それだけクルマの性能やコンセプト、ルックスなどの完成度が高いということでもあります。

 最新トレンドを盛り込んだクルマもいいですが、1台を長く乗り続けたい人にとっては、ロングセラーモデルを選ぶことが最適なのかもしれません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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