いま流行りの車を昭和の時代に先取り? ある意味先進的な車5選
ダウンサイジングエンジンの先駆けと小型ディーゼルの先駆者とは!?
●日産「マーチ スーパーターボ」
2000年代に欧州車に端を発して急激に増えていったのが、ダウンサイジングターボエンジンです。エンジンの排気量をダウンしつつ気筒数も減らし、ターボで高速域のパワーを補うという理論で、エコカーのためのパワーユニットとして開発されました。
このダウンサイジングターボの理想形といえるのが2005年にフォルクスワーゲン「ゴルフV」に搭載されたTSIエンジンで、1.4リッター直列4気筒直噴エンジンに、ターボチャージャーとスーパーチャージャーを搭載して最高出力170馬力を発揮。2リッター自然吸気エンジンを上回る出力を発揮しつつも14km/L(10・15モード)という低燃費を実現しました。
一方で、このツインチャージャーエンジンをいち早く搭載していたのが、1988年にモータースポーツベース車として開発された日産「マーチR」です。
競技のレギュレーションに対応するため排気量を987ccから930ccにダウンし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着され、最高出力110馬力(グロス)と1.5リッターエンジン並の性能を発揮しつつ、低回転域から力強い加速が大いに魅力的でした、
さらに1989年にはマーチRと同じエンジンを搭載して、普段使いにも適した装備の「マーチ スーパーターボ」が登場。トランスミッションはクロスレシオの5速MTに加え、3速ATも設定されました。
マーチR/スーパーターボのエンジンはTSIエンジンと異なり、燃費よりも絶対的なパワーが重視されていましたが、今から30年以上も前にツインチャージャーエンジンを量産化していたのは驚異的だったとえいます。
また、マーチR/スーパーターボのドライブフィールはかなり過激で、シャシ性能よりもエンジン性能が勝っていた荒削りな高性能車として今も語り継がれる存在です。
●ダイハツ「シャレード」
ハイブリッドやPHEV、マイルドハイブリッドの台頭から、高額なミドルクラス以上のモデル以外では数が少なくなってきているのがディーゼルエンジンです。
排出ガスのクリーン化に高価な後処理装置が必要なことから、小型のモデルは数を減らしてしまいましたが、現在もマツダ「マツダ2」など、1.5リッターディーゼルが生き残っています。
この小型ディーゼルの先駆者といえるのが1983年に登場したダイハツ2代目「シャレード」で、乗用車用としては当時世界最小排気量の1リッター3気筒ディーゼルエンジンを搭載した「シャレードディーゼル」をラインナップ。後に、よりパワフルなディーゼルターボエンジンも登場しました。
そもそもディーゼルエンジンは小排気量=ボアが小さいエンジンには不向きで、燃料をきれいに燃やすことが困難といわれていましたが、果敢にチャレンジしたダイハツは開発に成功。
さらに初代シャレードから搭載する直列3気筒エンジン(ガソリン)もダイハツが量産自動車用エンジンで世界初の快挙であり、大衆車ながら技術的にも意欲作でした。
しかし、ディーゼルエンジン特有の振動や騒音、排出ガスの黒煙の克服が十分でなかったことや、ガソリンエンジンの高出力化が進んだことで、1993年に4代目にモデルチェンジした際にディーゼル車は消滅。
その後、フォルクスワーゲンが1.2リッター直列3気筒ディーゼルターボエンジンを市販し、スズキも800cc2気筒ディーゼルをインド向けに開発しましたが、どちらもすでに消滅しています。
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歴史に「タラレバ」はありませんが、プレーリーがそのままのコンセプトで進化していたら、ダイハツが小型ディーゼルの開発を続けていたら、クルマの勢力図もすいぶんと変わっていたかもしれません。
優れたコンセプトや技術であっても広く受け入れられなければ意味がなく、誕生した時代の背景など複雑に関係してヒットに繋がるということを考えると、自動車開発の難しさが改めて理解できるのではないでしょうか。
シャレードのディーゼルは1気筒あたり400ccが限界と言われた壁を破った凄いエンジンだと思う。
ダイハツは市販しなかったけど2サイクル直噴ディーゼルターボの2CDIシリーズを開発してましたね。