いま流行りの車を昭和の時代に先取り? ある意味先進的な車5選

現在、日本で人気があるクルマのジャンルといえば、クロスオーバーSUVや軽ハイトワゴン、ミニバンが挙げられますが、こうしたモデルには元祖となるクルマが存在。そこで、昭和の時代に誕生した先進的なモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

昭和に誕生した先進的すぎるクルマを振り返る

 日本の自動車市場では、その時代によって流行のクルマが変化しており、現在はクロスオーバーSUVや軽ハイトワゴンがヒットしており、ミニバンがファミリーカーの定番として君臨しています。

現在に通じるコンセプトや技術を先取りした記念すべきモデルたち
現在に通じるコンセプトや技術を先取りした記念すべきモデルたち

 こうしたクルマはセダンやステーションワゴン、クーペと違い、比較的新興のジャンルといえますが、その元祖といえるクルマは意外と歴史的に古いモデルでした。

 そこで、昭和の時代に誕生した先進的なモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「ライフ ステップバン」

軽ハイトワゴンのスタイルをおよそ50年前に確立していた「ライフ ステップバン」
軽ハイトワゴンのスタイルをおよそ50年前に確立していた「ライフ ステップバン」

 近年、日本でもっとも売れているクルマといえば、軽ハイトワゴンや軽スーパーハイトワゴンと呼ばれるモデルですが、その元祖といえるモデルはおよそ50年前に誕生しました。

 ホンダは1971年に、大ヒットを記録した軽乗用車「N360」シリーズの後継車として、水冷エンジンを搭載した初代「ライフ」を発売。

 このライフのコンポーネントを使って、同年、スペシャルティカーの「Z」(水冷モデル)が登場。さらに多様化するニーズに応えるために、1972年に派生車としてバンタイプの軽商用車「ライフ ステップバン」を発売しました。

 ライフ ステップバンの外観は背が高いボクシーな車体に極端に短いボンネットがあるスタイルで、ヒンジドアを採用している以外は現在の軽ハイトワゴンと同様なディテールを確立しており、当時としてはかなり斬新なデザインでした。

 また、一般的な軽ワンボックバンでは、フロントシート下にエンジンを置き後輪を駆動するFRが主流でしたが、ライフ ステップバンはFFを採用していたことからプロペラシャフトが不要となり、フロア高を下げてより多くの荷物を積み込むことが可能でした。

 さらに1973年にはライフ ステップバンをベースにした軽トラックの「ライプ ピックアップ」が登場。こちらもかなりユニークなスタイルで、ほかには無い個性的な軽トラックとなっています。

 しかし、1974年にホンダは初代シビックの生産に注力するため、軽トラックの「TN」シリーズを除く軽自動車の生産から撤退することになり、ライフ ステップバン/ピックアップは短命に終わりました。

 ところが生産終了後にデザインが再評価され、若者を中心にライフ ステップバン/ピックアップの中古車は高い人気を誇り、カスタマイズして乗るのがちょっとしたブームとなったほどです。

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●日産「プレーリー」

現在のミニバンの要素をすべて持っていたといえる初代「プレーリー」
現在のミニバンの要素をすべて持っていたといえる初代「プレーリー」

 ミニバンといえばもはや流行ではなく、完全にファミリー層にはなくてはならないクルマですが、現在のミニバン人気の立役者となったのは、1994年に誕生したホンダ初代「オデッセイ」といわれています。

 一方、それよりも10年以上前の1982年に、日産は新たなファミリーカーとして、3列シートのステーションワゴンタイプのモデル初代「プレーリー」を発売。

 当時、多人数乗車が可能なモデルはワンボックスタイプが主流でしたが、プレーリーは乗用車タイプのミニバンの元祖といえる存在です。

 FFを採用したことで室内は低くフラットなフロアを実現し、センターピラーのない大きな開口部のボディと後部両側スライドドアに加え、多彩なシートアレンジも可能でした。

 従来の乗用車では実現できなかった優れた乗降性だけでなく、大きな荷物の出し入れも良好で、8人乗り3列シートと5人乗り2列シートの乗用モデルだけでなく、3人乗りと6人乗りの商用バンをラインナップ。

 ほかにも4WDモデルをベースにした特別仕様車の「ノルディカバージョン」では、現在のSUV的なスタイルを取り入れていました。

 しかし、初代プレーリーは低いボディ剛性による乗り心地や運動性能の悪化や、多人数乗車時の非力さがクローズアップされたことから販売は低迷。

 1988年に2代目にフルモデルチェンジするとセンターピラーレス構造を採用せず、オーソドックスなミニバンのスタイルに改められてしまいました。

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●スバル「レオーネ エステートバン4WD」

クロスオーバーSUVの元祖でシンメトリカルAWDを採用した「レオーネ エステートバン4WD」
クロスオーバーSUVの元祖でシンメトリカルAWDを採用した「レオーネ エステートバン4WD」

 いまや世界的に高い人気を誇っているSUVにはいくつかのタイプが存在します。なかでももっとも人気があり、車種も数多くラインナップされているのが「クロスオーバー」と呼ばれるタイプで、SUVのタフな印象よりも都会的なデザインを採用し、実際の走りも舗装路が重視されたモデルで、一般的にはセダンやコンパクトカーのシャシが流用されています。

 このクロスオーバーの元祖といえるのが、1972年に発売された水平対向エンジンを搭載するスバル「レオーネ エステートバン4WD」です。

 スバルは1971年に、東北電力から巡回用にとのリクエストにより、「ff-1・1300Gバン」をベースにした4WD車を開発。僅かな台数が生産されたff-1・1300Gバン4WDの技術を応用したのがレオーネ エステートバン4WDで、世界初の乗用4WD車といわれています。

 当時はまだ悪路走破性を重視しており最低地上高も高めでしたが、まさに「レガシィ アウトバック」の原型といえるモデルでした。

 その後、セダンにも4WDを採用するなど、スバルは乗用4WD車のパイオニアとして現在までDNAが受け継がれています。

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2件のコメント

  1. シャレードのディーゼルは1気筒あたり400ccが限界と言われた壁を破った凄いエンジンだと思う。

    • ダイハツは市販しなかったけど2サイクル直噴ディーゼルターボの2CDIシリーズを開発してましたね。

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