HV専売の日産新型「ノート」の実燃費を検証! 進化した「e-POWER」で低燃費になった?
e-POWERは高速道路の燃費が不利!? 実際は…
それではここからセクションごとの燃費を振り返ってみます。
●高速道
走行距離:68.67km
実燃費:29.5km/L
横浜市の日産グローバル本社を出発し、首都高から保土ヶ谷バイパスを経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通る今回のルートですが、従来のノートe-POWERは減速で回生ができないことから、高速道路の一定走行は燃費面で不利といわれていました。
しかし今回、新型ノートはなんと29.5km/Lという低燃費をマーク。左車線を法定速度の範囲内での走行したこともあり、十分満足のいく数値といえるでしょう。
新型ノートは静粛性も大きく向上しているようで、高速道路走行時にもっとも耳に入ってきたのはタイヤのパターンノイズのみ。エンジンを発電機として使うe-POWERのメリットが、このようなところにも現われているようです。
なお、エンジンの発電状況はメーター内の表示で確認することができます。
●ワインディング路
走行距離:41.2km
実燃費:19.7km/L
ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。
頂上の大観山まではほぼ登りということもあり、エンジンが駆動に繋がっていないe-POWERは非常に過酷なシーンということになります。
ただ、確かに登りでは常にエンジンが始動して発電をしていましたが、先代モデルに比べるとその騒音レベルは半分以下といったところ。
よほど深くアクセルを踏み込まない限りは、エンジンがブン回るということもありませんでした。
一方下りでは、先代と同じく減速度を生成するためにバッテリーが満充電となった後はエンジンが高回転で回ってしまいます。
しかし、このシーンでも先代モデルよりもキャビンに届く音量は明らかに小さくなっていたことがわかりました。
●一般道
走行距離:49.4km
実燃費:29.7km/L
一般道、国道134号から国道246号、そして横浜市内を経由して再び日産グローバル本社に戻ります。
ストップ&ゴーの多い一般道こそe-POWERの真価が発揮されるシーンであり、ここでの燃費は29.7km/Lとカタログ燃費(市街地モード27.6km/L)を超えるものとなりました。
ただ、減速の力を電気に変えるためには、フットブレーキではなくアクセルオフでの回生ブレーキを使用しなければなりません。
そのため、微妙なアクセルコントロールが苦手な人にとっては燃費の伸ばすのは少々厳しいシチュエーションとなるかもしれません。
逆にアクセルコントロールに自信があれば、回生ブレーキで航続距離を伸ばすこともできますから、新たな走らせる楽しみを享受できるともいえそうです。
※ ※ ※
新型ノートの燃費テストを実施し、最終的には26.18km/Lという数値となりました。
燃費性能だけ考えても十分満足行く結果となりましたが、やはりエンジンで発電してモーター走る、e-POWERならではの走り味の洗練度に驚かされたというのが正直なところです。
先代モデルも電気自動車のような乗り味を楽しむことができましたが、新型になってよりエンジンの存在が薄くなり、気にしないとエンジンが動いているのか止まっているのかすら分からないレベルへと進化しています。
また、一新されたプラットフォームは静粛性や剛性感も非常に高く、ワンランク上の車両に乗っているかのよう。
ただ、目ぼしいオプションを選択すると300万円超と、ワンランク上の価格になってしまう点は玉にキズですが、クルマの仕上がりとしてはまったく不満のないレベルであることは好印象でした。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
その条件なら
他社HVで30km/L超える車が普通に有る
たいして良くないね