メルセデス新型「Cクラス」世界初公開! 5代目になりどう進化? ライバル勢との違いとは
Cクラスの永遠のライバルがBMW「3シリーズ」とアウディ「A4」
新型Cクラスは全グレードで電動化を果たしているのも、今回のフルモデルチェンジの特徴となる。

パワートレインには、48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた1.5リッターと2リッターの4気筒ガソリンターボと2リッターのディーゼルターボ、そしてプラグインハイブリッド(PHEV)というラインナップが用意されている。
PHEVは、2リッターガソリンにモーター、そして25.4kWhの水冷リチウムイオン電池を組み合わせたもの。WLTPモードで約100kmのEV走行を可能とする。
また、新型Sクラスでも採用された後輪操舵システムも新型Cクラスに搭載されている。時速60km以下では前輪と後輪は逆の方向、それ以上の速度では前後輪が同じ方向に最大2.5度まで操舵をおこなう。これにより俊敏性が高まり、低速時の取り回しも向上している。
運転支援システムも機能を充実させ、作動範囲の拡大などの進化を見せている。また、安全性を高める運転席と助手席の間のセンター・エアバッグも欧州仕様車に用意されるなど、安全性能も強化された。さらに、車両前方の路面にガイドラインや警告マークなどを投影可能なデジタルライト機能もオプションで用意されている。
新型Cクラスを見ると、今まさにメルセデス・ベンツが持っている最新技術が惜しみなく使われていることがわかる。ライバルたちから一歩抜き出る先進性で、世界市場でのベストセラーの地位を守るつもりなのだろう。
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そんなCクラスのライバルとなるのが、ジャーマン・スリーと呼ばれる残りふたつのプレミアムブランドが擁する、BMW「3シリーズ」とアウディ「A4」だ。
●BMW「3シリーズ」

3シリーズの最新モデルの日本での登場は2019年1月。伝統のスポーティな走りとルックスに、対話式で操作可能なAIインテリジェント・パーソナル・アシストや、ハンズオフ可能な先進運転支援システムをプラス。日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020で「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」、そしてRJCカーオブザイヤー・インポートを受賞するなど、高い評価を得ている。
また、2019年は1万235台を販売し、「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位(JAIA発表)」で6位、2020年は8505台の販売で5位を獲得。どちらもBMWモデルとしては最高順位となっている。
●アウディ「A4」
もうひとつのライバルであるアウディA4は、2016年に現行モデルが日本に上陸。何度かの小改良を経て、2020年10月に大幅な改良を実施した。

エクステリアは全面的に変更され、インテリアにも最新のインフォテイメントシステムを導入。さらに「S4」以外のすべてにマイルドハイブリッドシステムを採用している。
ただし「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位(JAIA発表)」を見てみると、2016年が14位、2017年が16位、2018年から21位以下。日本での販売面では苦戦中といえるだろう。
BMWとアウディのライバルは、デビューからすでに2年から4年の年月が過ぎている。
技術進化の著しい昨今において、その年月は新型Cクラスの大きなアドバンテージになることは間違いない。間近に迫った日本導入で、新型Cクラスの販売は相当なものが望めるのではいだろうか。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。



























































