プラグインHV充電せずに使うメリットある? 電動化の切り札的存在が普及しづらい訳
電動化が加速する自動車市場において、ガソリン車と電気自動車(EV)の双方の魅力を合わせ持つプラグインハイブリッド車(PHEV)ですが、充電をせずにガソリン車として使う際のメリット/デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
PHEVはエコロジーと実用性を兼ね備えた最強の選択肢?
ガソリン車と電気自動車(EV)の「いいとこ取り」となるプラグインハイブリッド車(PHEV)ですが、充電せずに使い続ける使用方法に関して、メリットはあるのでしょうか。
自動車産業においてもカーボンフリーが加速するなかで、EVが注目されるようになりました。
EVは二酸化炭素などを排出しない「ゼロ・エミッション」のクルマである一方で、ガソリン車に比べて充電インフラ(設置場所や時間)や航続距離などが普及するうえでの課題となっています。
そんななか、環境面と実用面を両立するクルマとして期待されているのがPHEVです。
PHEVは、外部から充電することができるハイブリッド車(HV)です。HVは、回生ブレーキによって、制動時のエネルギーを電力に変更、それをバッテリーに蓄えたうえで、発進時や加速時にエンジンをアシストするモーターの動力源として使用します。
PHEVも基本構造はHVと変わりません。しかし、HVに比べてPHEVは搭載するバッテリーの容量が大きく、EVとして走行可能な距離もHVに比べてEVのほうが長いことが特徴です。
また、車載バッテリーに家庭用電源などから直接充電できる点が異なります。
2021年2月時点で市販されている国産車のPHEVは、トヨタ「プリウスPHV」と「RAV4 PHV」、三菱「アウトランダーPHEV」「エクリプスクロスPHEV」、ホンダ「クラリティPHEV」となります。
なかでもプリウスPHVのベースとなる「プリウス」は1997年に世界初の量産HVとして登場しました。
現行モデルのもっとも良いカタログ燃費は32.1km/L(WLTCモード)と、市販車のなかでもトップクラスの数値です。
一方のプリウスPHVのカタログ燃費は、30.3km/L(WLTCモード)とプラグインシステムなどの重量増などもあり、数値こそハイブリッドのプリウスにわずかに劣りますが、EV走行距離はプリウスが2km程度であるのに対し、プリウスPHVは60kmと大きく差があります。
EV走行中は基本的にガソリンを消費しないため、EV走行を活用すれば実燃費を大きく伸ばすことができるのがPHEVの利点です。
また、ガソリンのみでの走行も可能であるため、EVの弱点でもある航続距離や充電インフラの問題についてもクリアしているのがPHEVのメリットです。
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