プラグインHV充電せずに使うメリットある? 電動化の切り札的存在が普及しづらい訳
PHEVは充電しなくても使える?
PHEVやHVは、メーカーや車種によって、「EV走行もできるガソリン車」と「ガソリンでも走れるEV」のどちらの性格を全面に打ち出すかは異なりますが、いずれにせよガソリン走行ができることには変わりません。
そうなると気になるのが「PHEVは充電をすることなくガソリン車として走行できるのか」という点です。
この点について、ハイブリッド車に詳しい業界関係者は次のように話します。
「結論からいえば、PHEVは充電することなく走行することが可能です。
充電を忘れる、あるいはEV走行などによってバッテリー残量が枯渇することはしばしばありますが、通常のプリウス同様に回生ブレーキなどの機構は備わっているので、HVとして走行することになります。
ただ、プリウスPHVはプリウスに比べて車重が200kgほど重く、その大部分がバッテリーの重量です。
充電をせずにプリウスPHVを走らせるということは、この大容量バッテリーのメリットをほとんど活かせず、むしろ車重の重さが燃費に悪影響を及ぼすことになります。
つまり、充電せずにプリウスPHVに乗るということは、『重いプリウス』に乗るということであり、デメリットしかありません。
PHEVのメリットとして感じるのは、子どもの送迎や日々の買い物などであれば、ほとんどをEV走行でまかなえるという点です。遠出をすることもありますが、それでも給油をするのは3か月に1回程度です。
一方で、大容量バッテリーを搭載することによる価格の高さ、そして何より充電設備を用意しなければならないという点があります。
私は郊外の戸建てなので充電設備を設置できましたが、都心部のマンション住まいでは難しいかもしれません。
かといって、地方部では一回の走行距離が長いため、50kmから60km程度のEV走行では十分ではありません。そう考えると、PHEVを有効活用できる人というのは、実際にはかなり限られてくるのではないかと思います」
※ ※ ※
PHEVは、ガソリン車とEVの「いいとこ取り」ともいえますが、車両価格や充電設備、EV走行距離のバランスを考慮すると、普及するのには課題が多いようです。
今後、技術の進歩によってバッテリーの価格やEV走行距離は改善されることが予想されますが、その頃にはEVがより実用的なものとなっているかもしれません。
PHEVが「電動化に向けた現実的な選択肢」となるのか、「過渡期に生まれた中途半端な遺物」となってしまうのかに注目が集まるところです。
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