レクサス「IS」に5リッターV8搭載!? 新シリーズ「Fスポーツパフォーマンス」を投入する訳

Fスポーツパフォーマンスには先代「IS F」との共通点も

 新型ISは、新たに建設された下山テストコースのなかのドイツ・ニュルブルクリンクサーキットに似たレイアウトと入力が再現された第3周回路で鍛えられていますが、このIS500もそれは同じ。つまり、単なる直線番長ではないことは明らかでしょう。

 プロモーションビデオには走行シーンも収録されており、卓越したコーナリング性能を見せていますが、とくにテールスライド時のコントロール性も高そうに感じました。

レクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」
レクサス「IS500 Fスポーツパフォーマンス」

 エクステリアはV8エンジンを搭載するために盛り上がったデザインを採用したフロントエンジンフードやリアの4本出しエキゾーストシステム&ディフューザー形状のリアアンダー、専用デザイン&軽量化されたスプリット10本スポークの19インチアルミホイール(エンケイ製)、そしてメッキからダーククロムに変更されたウィンドウトリムなど、専用アイテムがプラスされています。

 ちなみにFスポーツのエンブレムは、Fスポーツパフォーマンス専用となるブラック仕様です。

 インテリアはステアリングやドアスカッフプレートのFスポーツパフォーマンス専用バッジや専用メータースタートアップ映像などが採用されていますが、基本的にはFスポーツと同じと考えていいでしょう。

 これらの内容を見ていくと、IS500 Fスポーツパフォーマンスは、先代に設定されていた「IS F」と共通する部分が多いことに気が付きます。

 つまりFスポーツパフォーマンスは「リアルFに限りなく近いFスポーツ」という解釈ということになります。

 ただ、なぜIS Fを名乗らずIS500 Fスポーツパフォーマンスなのでしょうか。

 これは筆者の推測になりますが、レクサスの「挑戦」と「自信」だと思っています。

 これまでFスポーツは見た目とフットワークのアップデートが主でしたが、IS500 Fスポーツパフォーマンスはパワートレインにも手が入っています。

 つまり、「今後は他モデルもそうなっていく」ことを意味しています。

 おそらく、それはピュアなガソリン車だけに留まらず、電動化パワートレインも視野に入っているはずです。

 さらにIS500 FスポーツパフォーマンスがIS F並み、いやそれ以上の実力を備えたということは、「次のリアルFはそれを確実に超える実力を備えている」が約束されたわけです。

 IS500 Fスポーツパフォーマンスは、北米で2021年秋に発売予定と発表されています。

 日本に導入される可能性は現時点ではわかりませんが、待ち望んでいる人は多いはずです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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