なぜタイヤ販売店に95台のレトロ自販機が存在? 「オートレストラン」が蘇った訳
現在はクルマ好きの新たな聖地になっている?
95台あるレトロ自販機で売られているものは実に多種多様です。
うどん、そば、ラーメン、ハンバーガー、ホットサンド、ホットスナック、弁当、カレーライス、みそ汁などの温かい食事系、清涼飲料水、アイスクリーム、かき氷などのデザート系。食品以外では、アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」のプラモデルや神社にあるのと同様のおみくじなどもあります。
一番人気の自販機について、斉藤社長は次のように話します。
「うどん・そば、ラーメン、ハンバーガー、トーストなどは季節を問わず人気がありますね。
寒い時期ならなおさらでしょう。週末ともなれば、麺類は1日400杯以上が販売されています。
また夏場はもちろんですが、寒い時期でもかき氷やアイスクリームが意外と売れるのですよ」
確かに筆者(加藤久美子)がいったときは氷点下2度という寒さで駐車場の水たまりも凍っていましたが、かき氷を買っているカップルがいました。
ということで筆者もチャーシュー麺を買ってみることに。このときはラーメンが売り切れだったのでチャーシュー麺を選びました。
同じ自販機でラーメン(300円)とチャーシュー麺(400円)を販売していますが、100円の差でチャーシュー麺にはチャーシューが5枚も入っていてオトク感満載です。
自販機といっても生めんに熱々の液体スープが注がれてネギ、海苔、メンマ、なるとまで入ったとてもおいしいチャーシュー麺でした。
そんな話題のレトロ自販機ですが、訪れる世代となれば、やはり40代以上が中心かと予想出来ますが、実は20代の若者グループやカップルのデートスポットとしても人気を集めているようです。
集まるクルマはスポーツカー、痛車、カスタムカー、そして1980年代の国産スポーツカーも目立っていました。
斉藤社長の話によると、遠くは北海道や九州から訪れるクルマもあり、大阪や京都などの関西ナンバーも普通に見かけるとのこと。
旧車数台が集まって、ここからツーリングに出かけたり、オフ会の帰りによってみたりと、クルマ好きにとっても新たな聖地になりつつあるのでしょう。
筆者が取材にいった金曜日の深夜も日曜日の昼間も、いずれも駐車場はほぼ満車。金曜日は午前0時近い時間でしたが、駐車場に入れないクルマも多数いました。
なお、こちらの駐車場は凹凸が多いので車高の低いクルマは下回りをぶつける危険があります。ドリフト仕様やローダウンのクルマは駐車場外に停めたほうが安全です。
斉藤社長に、今後、加えたい自販機を聞いてみました。
「川鉄(川鉄計量器株式会社)のカレー自販機を手に入れたいですね。稼働しているカレー自販機は恐らくないと思います。
動かなくなった自販機は全国にひとつかふたつはあるかと思うのですが。探しだして修理をして自販機としてカレーを提供できる日を夢見ています」
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なお、中古タイヤ市場のレトロ自販機群は24時間営業ですが、商品の補充や両替に関してはお店の営業時間である10時から19時のみ対応です。ほとんどの自販機は古いため500円玉は使えないといい、歴史的価値もある貴重な自販機なため優しく扱ってあげましょう。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
最近、客の民度が下がったのかゴミのポイ捨てや長時間占拠するヤカラが増えたようです。
近隣住民とのトラブルや苦情が増えて自販機コーナーが閉鎖撤去されるなんて事にならなければいいですが…