可愛い顔して本格派! 氷の上で走ってわかった「ホンダe」のスゴさとは
氷上でのホンダeはRRのハンドリングマシンだった
ホンダeの、この氷上走行での粘りには3つの理由がある。
ひとつ目は、ESCの制御にはモーター制御とブレーキ制御があるが、ESCをオフにしたことでモーター制御はしなくなるが、ブレーキ制御は少し残るためだ。
ESCがオンのときは、モーター制御もブレーキ制御も早めに介入するので滑り出すところまでいかないが、オフだとブレーキ制御の介入は遅くなり、ある程度の車速があるとオーバーステアからスピンしそうなときには、前の外側の車輪のブレーキ(左コーナーでお尻が右に滑ったら右前)をチョンチョンチョンと摘んで助けてくれる。
もちろん、ちゃんとカウンターステアを当てられないとスピンしてしまうが、ドライバーのカウンターステアとESCのブレーキ介入により、スピンすることなくきれいに走らせることができる。
ふたつ目の理由は、そのカウンターステアである。RRのためにフロントには使える空間がある。そこを転舵したときのタイヤのスペースにしたから、タイヤが大きく切れ、カウンターステアも大きく切れるのだ。
これが、びっくりするほどよく切れる。4.3mという軽自動車より小さい最小回転半径にするためだが、氷上ではスピンを防ぐカウンターステアのために非常に役に立った。
3つ目は、ホイールベースの長さによりZ軸廻りの回転、つまりスピンの動きがゆっくりになっているからだ。
全長3895mmとコンパクトなボディながら、ホイールベースは2530mmと長く、路面のミューが極端に低い氷上走行を穏やかにしてくれるという効果が出ている。
スキッドパッドでのドリフトも試してみた。ここでは極端に車速が低いので、ESCオフではモーター制御もブレーキ制御も介入してこない。フルにカウンターステアを当てながらも氷上でダンスを踊るようにドリフトで回ることができる。
ここでのドリフトがしやすい理由は、BEVだからだ。アクセルペダルを踏んでモーター出力をコントロールするが、タイムラグなく反応してくれるから操りやすいのだ。もうひとつはアクセルペダルのゲインを高くしていないところも扱いやすくなっている理由だ。
この日生まれて初めての氷上ドライブを体験したドライバーも、きれいなドリフトで円が描けていた。基本的な運転をマスターしていれば、ホンダeを氷上で操れることが立証された。それだけ素直に走るということだ。ホンダeを氷上で試乗した練習会参加者は皆ニコニコ顔でクルマから降りてきたのが印象的だった。
ホンダeは、可愛い顔したおしゃれクルマかと思っていたら大間違い。氷上ではRRのハンドリングマシンに変身するのだ。
Honda e Advance
ホンダe アドバンス
・車両価格(消費税込):495万円
・全長:3895mm
・全幅:1750mm
・全高:1510mm
・ホイールベース:2530mm
・車両重量:1540kg
・原動機種類:交流同期電動機
・モーター最高出力:113kW(154ps)/10000rpm
・モーター最大トルク:315Nm/0-2000rpm
・交流電力量消費率(WLTCモード):138Wh/km
・一充電走行距離(WLTC):259km
・駆動方式:RR
・タイヤサイズ:前205/45ZR17、後225/45ZR17
500万でも買いたいホンダe。
ただ、街乗りだからといって、他社の走行距離よりも明らかに劣ると二の足を踏むだろう。
せめて、東京〜大阪間ぐらいは満充電で走行できるくらいならなぁ。
別に驚くことはない
重心バランス良いリヤ駆動車で、
しかも低重心でハンドル角も大きく撮れるので
低ミュー路でのコントロール性は良いだろう、
ガソリン車ではFRのプレミアムなモデルで無いと不可能なバランス配置が、
BEVはバッテリーレイアウト次第でこのサイズでも可能だという事です、
ただしお値段と重さはFRのプレミアムモデルと同じくらいになってしまいますが…