昔はFR車が選びたい放題だった!? 1980年代に登場したFRスポーツ車5選
現役時代よりも引退してから大人気となった伝説のFR車とは
●トヨタ4代目「カローラレビン/スプリンタートレノ」
1966年に誕生したトヨタ初代「カローラ」は、庶民でも手が出せる大衆車として、マイカーの普及に大きく貢献した偉大なクルマです。
マイカーの普及が本格化すると、さらに高性能さに対するニーズが高くなり、1972年には2代目カローラ/スプリンターに、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する「TE27型カローラレビン/スプリンタートレノ(以下、レビン/トレノ)」が発売され、たちまちスポーツドライビング好きな若者を中心に、大人気となりました。
その後もレビン/トレノは代を重ね、1983年にスタンダードなカローラ/スプリンターがFF化されるなか、FRのままとされたAE86型レビン/トレノがデビューします。
ボディタイプはクーペとハッチバックが設定され、外観は先代のTE71型が直線基調のデザインだったのに対し、全体的に丸みを帯びたモダンなフォルムに一新。
また、レビンは固定式ヘッドライト、トレノはリトラクタブルヘッドライトを採用したことで、イメージが大きく分けられました。
搭載されたエンジンは、1.6リッター直列4気筒DOHC16バルブエンジン「4A-GEU型」と、1.5リッター直列4気筒SOHCを搭載した廉価版のAE85型もラインナップ。
4A-GEU型は最高出力130馬力を発揮し、現在の水準では決してパワフルではありませんが、高回転域までスムーズに吹け上がるフィーリングと、900kg台の軽量な車体と相まって、スポーツドライビングが楽しめました。
AE86型レビン/トレノは発売と同時に若者から支持を得ますが、ホンダ「シビックSi」などライバルの台頭で、人気は控えめのまま1987年に生産を終了
しかし、次世代のAE92型がFFだったことによって再評価され、その後、コミック「頭文字(イニシャル)D」の影響から、人気が急上昇したのは記憶に新しいところです。
●マツダ2代目「サバンナRX-7」
1967年にマツダは、世界初の量産ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーの「コスモスポーツ」を発売。その後はロータリーエンジンのフルラインナップ化を進め、さまざまな機種にロータリーエンジンを搭載しました。
一方で、コンパクトでパワフル、ハイパワーなロータリーエンジンは、スポーティカーにふさわしいエンジンという考え方へとシフトしていき、1978年に初代「サバンナRX-7」が登場すると、徐々にロータリーエンジン搭載車は絞り込まれていきます。
そして、1985年には2代目サバンナRX-7が登場。初代から大きく進化したシャシに、185馬力を発揮する1.3リッター2ローターターボエンジンを搭載しました。
外観はリトラクタブルヘッドライトを継承しつつ、均整のとれたスポーツカーとしての美しいフォルムへと、大きく進化させています。
また、日本車では初となる対向4ピストン・アルミブレーキキャリパーの採用や、フロントのホイールハブまでアルミ化するなど、ピュアスポーツカーとして足まわりに一切の妥協はしていません。
1989年のマイナーチェンジでは、ロータリーエンジンの要ともいえるシール類の改良などでスロットルレスポンスを大幅に向上させ、最高出力は205馬力まで向上。
2シーターで専用のサスペンションが与えられた限定車「∞(アンフィニ)」や、シリーズで唯一のオープンカー「カブリオレ」もラインナップされました。
サバンナRX-7は、ロータリーエンジンならではの、スロットルペダルを踏み込んでいればどこまでも回転上昇しそうな加速感と、リア・マルチリンクサスペンションによる優れた旋回性能によって、いまも多くのファンを魅了してやみません。
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2019年の末にトヨタ「マークX」が生産を終え、2020年の秋にはレクサス「GS」が消滅し、FR車がさらに減少してしまいました。
また、BMWも2019年の夏に新型「1シリーズ」を発売しましたが、FF化されたことが大いに話題となったほどです。
しかし、FRの魅力が失われてしまったわけではなく、マツダは近い将来にFRのスポーツセダンの発売を予定しており、まだまだFRの灯は消えません。
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