日本上陸したBMW新型「M3/M4」の特徴は? そしてライバルとの関係とは?
BMW M社の歴史とライバル「AMG」「RS」との関係
BMWのMモデルのルーツは、1972年に設立された「BMWモータースポーツ社」にある。現在の「BMW M GmbH(BMW M社)」だ。
サーキットで戦うために車両やエンジンを開発していた同社が生み出した量産車が、1979年に登場した「M1」や1985年の初代「M3」そして「M5」であった。

初代M3(E30型)の主眼はレースであったが、1993年の第2世代(E36型)以降からは、ストリート向けハイパフォーマンスカーという道を歩み出す。初代M3から2ドアと4ドアが用意されていたが、2014年登場の先代の第5世代(F80/F82型)から、クーペがM4、セダンがM3となっている。
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BMWのDセグメントモデル、3シリーズと4シリーズをベースにしたハイパフォーマンスモデルがM3/M4。これのライバルとは、同じドイツブランドのメルセデスAMG「Cクラス」とアウディの「RS4/RS5」だろう。
AMGは、もともとメルセデス・ベンツとは別の会社であり、1960年代からチューニングカーを製作してレース活動をおこない、そこで目覚ましい活躍をあげていた。
その後、1990年代からAMGはメルセデス・ベンツの本社に接近し、2000年代以降はメルセデス・ベンツのモータースポーツ部門として機能するようになる。また、同時にAMGモデルは、メルセデス・ベンツラインナップのレギュラーモデルとして販売されることになったのだ。
現在、メルセデス・ベンツにおけるAMGモデルは、コンパクトハッチバック「Aクラス」から始まり、「Sクラス」、「SLクラス」などのセダンやクーペだけでなく、「GLA」や「Gクラス」などのSUVにまで及ぶ。メルセデス・ベンツのほぼすべてのラインナップにAMGが設定されているのだ。
そのなかでM3/M4のライバルとなるのがメルセデスAMG Cクラスだ。トップモデルとなる「AMG C63 S」は、最高出力510ps・最大トルク700Nmを発生する4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する。

同じように、アウディの子会社「アウディスポーツGmbH」が開発するハイパフォーマンスモデルがRSだ。
RSモデルもAMGモデルと同様、コンパクトモデル「RS3」からSUVの「RS Q3」、ワゴンモデルの「RS4アバント」2ドアクーペ「RS5クーペ」と4ドアクーペの「RS5スポーツバック」「RS7スポーツバック」まで幅広く用意している。
M3/M4のライバルに該当するのが、「RS4アバント」「RS5クーペ」と「RS5スポーツバック」となる。搭載するのは、最高出力450ps・最大トルク600Nmの2.9リッターV型6気筒ツインターボで、駆動方式はアウディ自慢の4WD、クワトロだ。

BMW M3/M4にメルセデスAMG C63S、アウディRS4アバント、RS5クーペ/スポーツバックの3者はすべて、各社のモータースポーツ部門が仕立てた超ハイパフォーマンスモデルだ。
そしてMとAMGとRSは、各社のレーシングテクノロジーを惜しみなく投入しつつ、BMWとメルセデス・ベンツ、アウディのいわば最上級グレードとして、コンパクトカーからSUVまで幅広く設定しているところは3ブランド共通になる。
だが、今回日本に上陸した新型M3/M4は、当初から6速MTモデルを用意したり、よりサーキットでの走りを重視したトラックパッケージを用意するのが、メルセデスAMG CクラスやアウディRS4/RS5とは異なっている。それこそが「駆けぬける歓び」を謳うBMWらしさといえるだろう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

























































