日本が先行も最後はビリに? 水素社会へ欧米中は本気で舵切り 「判断と行動」遅い日本 取り残される可能性も

好スタートをきった日本…このままだとビリになる可能性も?

 一方、自然エネルギーとして有効に使いたいのが風力と太陽光です。すでに東京電力ですら昼間の時間帯だと太陽光発電で30%近くの電力を供給出来ています。

 とはいえ太陽光発電を4倍にしたら100%を超えてしまう。さらに風力も加わってくると、電力は供給過多になってしまいます。

 実際、九州電力は太陽光発電の能力が多くなりすぎ「もういらない!」と断っている状況。つまり本来なら二酸化炭素を排出したい自然エネルギーを上手に使わないということを意味します。

 そういった状況を抜本的に解決してくれるのが新しいルールで役立つ水素だったりする。余った電力使って水を電気分解すると水素になり、それを貯めればいいのです。

 水素は運ぶことも出来る。技術の進化により燃料電池のエネルギー源として使うことで、電力に戻すことも可能になりました。

トヨタは燃料電池車「ミライ」の技術を活かしてさまざまな水素の活用法を模索している
トヨタは燃料電池車「ミライ」の技術を活かしてさまざまな水素の活用法を模索している

 また、水素は火力発電で燃やせます(燃やしても二酸化炭素は出ない)。天気の悪い日に太陽光発電が出来なくなったときや、風のない日の火力発電用として使えるのです。すべてのエネルギーのベースになると考えていい。

 前述の通り、欧米中は直近の2年から3年で水素社会に向け大きく舵を切っている。

 日本も舵を切ろうとしているものの、判断と行動という点で負け始めているような気がします。舵の切り方も推進パワーも足りません。

 このままだと先行スタートしながらもビリという状況も大いにありうる、という現状を広く知って頂けたら嬉しいと思う。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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