話題の電気自動車 プジョー「e-208」で長距離ドライブはどう? 走ってみた

80kW・220Nmの出力になる「ノーマルモード」でも十分に走る

 ゼロ発進から力があるBEVだから、ハンドリングだけでなく、じつはアクセル操作に関してもスポーティだ。

 モーター最高出力は100kW(136ps)、最大トルクは260Nmを発揮するが、アクセルペダルのゲインは高くなく、踏み込み量に比例した加速力を得られるのでコントローラブルである。

プジョー「e-208」の走り
プジョー「e-208」の走り

 スタートからアクセルペダルを深めに踏み込んでも、フロントタイヤはホイールスピンする気配もないのでトラクションの抜けがない。発進時はアクセルペダルを踏んだ分がそのまま加速力になっているから楽しい。スペックから考える以上に速く走れるクルマである。

 夜の空いた首都高速をスイスイと加速して走っていくと、オン・ザ・レールでのコーナリング感が楽しい。

 いまはコロナ禍で外出自粛になってはいるが、自宅からクルマで出発してそのまま戻ってくれば感染のリスクはないから、こうしたちょっとした夜のドライブは気分転換にお勧めだ。そんな夜のクルマの出し入れでも、BEVは静かなのがいい。

 翌日は、東京から御殿場までe-208で取材に出かけた。50kWhの容量のバッテリーがフル充電に近ければ、メーターパネルには300km以上のレンジ(走行可能距離)が示され、カタログ上では、JC08モード燃費で403km走れることになっている。

 この状態で高速道路を調子良く走っていくと、帰りが東京まで辿り着けるか心配になった。東京から出発すると御殿場まで上りになるからか、思いのほかバッテリーを消費してしまったからだ。そこで足柄SAのCHAdeMO(急速充電)で30分だけ充電した。やはり法定速度で走っても、ペースが速いと空気抵抗によってエネルギー消費が大きいから、左車線をのんびり走るほうがレンジは伸びるだろう。BEVは走り方によってレンジが大きく影響するのは、このe-208でも同じだ。

 ドライブモードはノーマルモードの他に、スポーツモードとエコモードがある。スポーツモードでは最高出力と最大トルクを発揮できるが、80kW(約108ps)・220Nmの出力になるノーマルモードでも、十分にスポーティな走りができる。60kW(約82ps)・220Nmになるエコモードはエアコンの設定なども変えてレンジを伸ばしてくれるが、使いやすいのはノーマルモードだった。

 ブレーキモードはノーマルとBモードのふたつがある。ノーマルモードはガソリンエンジンに近い感覚で走ることができる。つまりアクセルオフで緩いエンジンブレーキのような回生ブレーキがかかる自然な減速だ。Bモードは回生が強いモードで、いわゆるワンペダルドライブに近いことができるが、これもほとんどを自然な感覚で走れるノーマルモードで走った。

 シティ派の電気自動車として登場したe-208は、ガソリンエンジンの208と同様に魅力的だった。

プジョー「e-208」の走り
プジョー「e-208」の走り

Peugeot e-208 GT Line
プジョー e-208 GTライン

・車両価格(消費税込):423万円
・試乗車オプション込み価格(消費税込み):469万3350円
・全長:4095mm
・全幅:1740mm
・全高:1445mm
・ホイールベース:2540mm
・車両重量:1500kg
・原動機種類:交流同期電動機
・モーター最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
・モーター最大トルク:260Nm/300-3674rpm
・交流電力量消費率(JC08モード):131Wh/km
・一充電走行距離(JC08モード)403km
・駆動方式:FF
・タイヤサイズ前後:205/45R17

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