中国版「センチュリー」の「紅旗・H9」が2月に日本上陸? 過去に中国車が日本に無かった理由とは

日本市場において、現在までに中国単独メーカー/中国ブランド/中国製という乗用車は販売されていません。しかし、2021年1月27日に、中国メディアや日本のSNS上で「中国の高級ブランドとなる『紅旗』のラグジュアリーセダン『H9』が2021年2月に日本上陸」という画像と日本市場での販売価格を取り上げて大きな話題となっています。

中国の高級ブランドがなぜ日本市場に? 中国版「センチュリー」の正体とは

 2021年1月27日に、中国メディアや日本のSNS上で「中国の高級ブランドとなる『紅旗』のラグジュアリーセダン『H9』が2021年2月に日本上陸」という画像と日本市場での販売価格を取り上げて大きな話題となっています。
 
 かつて日本市場には、純中国メーカー/中国ブランド/中国製という乗用車は登録(ナンバー取得)されておらず、H9の日本上陸が現実となれば日本の自動車業界に大きな衝撃を与えます。

噂は現実となるか? 2021年2月に日本上陸といわれる中国の高級ブランド「紅旗」の「H9」。
噂は現実となるか? 2021年2月に日本上陸といわれる中国の高級ブランド「紅旗」の「H9」。

 紅旗とは、経済の工業化を推進する「第一次五カ年計画」の一環で設立された中華人民共和国初の自動車メーカー、「第一汽車」が展開する高級車ブランドです。

 1958年にその第一号車が誕生して以来、中国における富と権力を象徴する高級車として中国共産党の各幹部や国家主席、大企業の社長などに長年愛されてきました。

 日本で紅旗といえば、中国人民解放軍の軍事パレードなどで習近平国家主席が乗る「閲兵車」など、国家主席専用車のような用途で使われる「Lシリーズ」が有名です。

 なかでも、「L5」とそれをベースとするロングホイールベースモデルの「L7」や「L9」は初代紅旗モデルを彷彿とさせる保守的な見た目を持っており、日本でいえばトヨタ「センチュリー」のような存在です。

 最近では2019年6月に大阪で開催されたG20サミットに参加する習近平国家主席の専用車として、よりモダンな見た目を持つ「L4」が大阪に持ち込まれ、外務省の発行する外交官車両用プレート(通称 外ナンバー)を装着しながら日本の公道を走行しました。

 現在の市販モデルとして「H5」、「H7」、そして前述のH9の3つのセダンに加え、E-HS3、E-HS9、HS5、そしてHS7などのSUVが展開されています(Eが付くモデルは電気自動車)。

 なかでも、中級セダンのH7はかつてトヨタが紅旗ブランドを展開する第一汽車と合弁企業を設立し、中国国内に販売していた紅旗ブランドのミドルサイズセダンです。

 このように、近年は変革を遂げている中国の代表的な高級ブランドとなる紅旗ですが、果たして日本市場へ上陸するというニュースは本当なのでしょうか。

 中国のSNS、「ウェイボー」にて「紅旗 日本」で検索すると、「中国で圧倒的な人気を誇る、あの車!いよいよ、日本上陸。(原文ママ)」とのキャプションが付いたH9の画像が多く投稿されています。

 現在出回っている広報画像は全部で3枚。紅旗H9の輸入会社によって作られています。

 しかし、同時に出回っている「販売価格一覧表」について、輸入元に確認したところ「これは、まったくのデマで、拡散しないでほしい」とのことでした。

 日本に輸入されるH9のグレードもでたらめとのことです。

 現在、中国における H9は2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する「2.0Tモデル」と、3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー付エンジンを搭載する「3.0Tモデル」の2種類のパワートレインが用意されています。

 中国本国では、2.0Tモデルは装備の異なる3つのグレードがあり、価格は30万9800元(邦貨換算497万6000円)から、3.0Tモデルは2つのグレードで45万9800元(邦貨換算738万4500円)からとなっています。

【画像】センチュリーを凌駕する!? 中国高級車「H9」の全容を見る!(20枚)

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